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来店客の約9割がテーブルオーダーを利用。業務効率化とパーソナルな接客を両立する『ムゲン食堂』

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『ムゲン食堂』を運営する株式会社Glidge代表の谷村昌樹氏

2021年10月に緊急事態宣言が解除されて以降、飲食店に対する制限は段階的に緩和されてきた。しかし2022年1月現在、第6波の感染急拡大により、全国各地の飲食店にはまん延防止等重点措置に基づく時短営業などの要請が再び出されている。

長引くコロナ禍で、消費者の生活様式は変化した。今後も飲食店を利用する人の数はコロナ以前の水準に及ばないという声も聞かれる。従業員の人材確保も課題となり続けるだろう。ウィズコロナ時代に飲食店が生き残るためには、人手不足をカバーする店内オペレーションの効率化やコストの削減とともに、集客策のさらなる見直しとして、ロイヤルティの高いファンを獲得する施策が欠かせなくなる。

ダウンロード不要の『LINEミニアプリ』なら、ユーザーにすぐ利用してもらえる

そうした課題に対し、業務効率化や既存客の集客を促進するツールとして注目されているのが『LINEミニアプリ』。国内月間利用者数8900万人(2021年9月末時点)を超えるLINE上で、自社サービスを提供できるウェブアプリケーションだ。

従来、多くの飲食店では自社アプリが販促ツールとしてリリースされてきたが、「そもそもダウンロードしてもらえない」、「アプリ自体を認知させにくい」といった課題があった。しかし『LINEミニアプリ』なら、お客が既に利用しているLINE上で自社サービスを提供できるため、利用ハードルが圧倒的に低い。自社アプリよりも利用者を増やしやすいことが大きな特徴だ。

『LINEミニアプリ』では、さまざまな機能が用意されている。例えば、各テーブルなど店内に設置されたQRコードを読み込むだけでLINE上にメニューページが立ち上がり、そこから注文できる「テーブルオーダー」や、LINE上で順番待ちが確認できる「順番待ち・呼び出し」機能、LINE上にデジタル会員証が表示される「会員証サービス」などだ。このほか、店舗の予約やテイクアウトのオーダーがLINE上で完結する機能などもあり、予算やニーズに合わせた導入が可能だ。

「テーブルオーダー」を利用した注文画面。メニューの一覧からそのまま注文するような感覚だ

またお店の『LINE公式アカウント』がある場合は、『LINEミニアプリ』と併用することで、より細やかな集客施策を講じることができるのも特徴だ。『LINE公式アカウント』を通じ、店舗の最新情報をお知らせできるほか、クーポンの配信やショップカードの機能を活用することで、販促面の効果的なアプローチができる。

『ムゲン食堂 京都河原町』の2階店内

顧客データ活用に向け、LINE公式アカウントの友だち数1万人超えを達成

そんな『LINEミニアプリ』を活用し、大きな成果を出しているのが“シビれ系”麻婆とシュウマイが名物の『ムゲン食堂』だ。コロナ禍の2020年秋に1店舗目を京都河原町にオープン後、2021年には京都内に2店舗目もオープンさせ、いまではLINE公式アカウントの友だち数が13,500人を超える(2022年1月時点)ほどの人気店となった。

同店が『LINEミニアプリ』を導入した経緯には「前職時代の反省がある」と『ムゲン食堂』を運営する株式会社Glidge代表の谷村昌樹氏は話す。

「以前は、全国で120店舗を展開する飲食店で、店舗開発や企画、広報、デザインなど本部運営を担当していました。でも、定食屋という予約不要な業態だったこともあり、顧客データがまったく集められていなかったんです」

その後独立し、フランチャイズの形で完全予約制の焼鳥店を経営した谷村氏。ここで大きな手応えを得る。

「焼鳥店では、予約台帳にお客様のお名前やご来店回数、前回何を召し上がったかなどの情報が記録されるので、その方の好みに合わせた料理のプレゼンをするなど、接客を個別に工夫できるようになりました。そこで改めて、『顧客データがあると、お客様にご満足いただける店舗体験を提供しやすい』ということを実感したんです」

LINEミニアプリは、予約だけに限らず、お客の来店や注文などの行動履歴を、お客自身のLINEアカウントに紐づいたデータとして取得することができる。予約なしで日常的に利用できる飲食店でも、顧客データを活用した温かみのある店舗体験を提供していきたいと考えていた谷村氏にとって、LINEミニアプリはまさにぴったりのツールだった。
※LINEアカウントと紐づいたユーザー行動データの取得には利用者の許諾が必須となります

「お客様一人ひとりの満足度を上げるためには、顧客データの蓄積と適切な活用が欠かせない」と語る谷村氏

LINEミニアプリ導入の決め手は、圧倒的な「利用ハードルの低さ」

谷村氏が顧客データ蓄積のためのソリューションをリサーチしていた2020年は、コロナ禍の需要の高まりが追い風となり、飲食店によるモバイルオーダーサービスが国内に急激に台頭した時期でもあった。「個人のスマホを使うサービスなら、顧客データも蓄積できる」と目をつけた谷村氏は、お店のテーブルから、お客個人のスマホでメニューを注文できる「テーブルオーダー」サービスを探し始めた。

「テーブルオーダーのサービスにも様々な種類があります。名前やクレジットカード情報の入力など、会員登録が必要なものは、お客様に『面倒だな』と感じさせてしまうかもしれない。利用してもらうためには、なるべく手間をかけさせたくないと思っていました。そんな中で見つけたのが、『LINEミニアプリ』のテーブルオーダー機能。LINEならユーザー数が多いのでお客様を選ばないと感じましたし、テーブルでQRコードを読み取ってもらうだけでそのままメニューが立ち上がるから、お客様にも使ってもらいやすいと思ったんです」。

谷村氏は、「この利用ハードルの低さが大きな決め手になった」と話す。

テーブルごとにテーブルオーダー用のQRコードを設置

来店客の80〜90%がテーブルオーダーを活用。業務効率化&人件費削減にも成功

テーブルオーダーは業界でも導入事例がまだ少ないサービスであるがゆえ、導入前はどの程度顧客が対応してくれるのか不安視していたという谷村氏。しかし実際導入してみると、

「思った以上に多くの方に使っていただけました。若年層の方は何も説明せずともQRコードを読み取って、ネットショッピングのような感覚で使ってくださっています。40〜50代くらいの方々も難色を示す方はほとんどいませんでした」

とスムーズに導入できたと話す。一方で、ファーストドリンクだけは席の案内後に口頭で直接オーダーを受けているという。

「最初の一杯って、結構決まっている方が多いので、その場で伺った方がスムーズなんですよね。その後、ドリンクをお持ちするまでの間に、テーブルオーダーで注文していただくという流れが多い。お客様を無駄にお待たせしなくて済むので、とても効率的だと感じています」

いまでは『ムゲン食堂』におけるテーブルオーダーは、全注文のうち80〜90%を占めるほど利用率が高い。

各自スマホで読み取るとメニューを見ることができ、ネットショッピングのようにメニューを注文できる

テーブルオーダーの導入により、もう一つ嬉しい変化があったと谷村氏は言う。多階層店舗のため、常時5〜6名のホールスタッフを配置する必要があった『ムゲン食堂』だが、テーブルオーダーの導入により業務オペレーションが大幅に効率化。営業に必要なスタッフ数を常時1〜2名減らすことができた。

「注文を取りに行く時間がなくなったことにより、その時間を商品提供や食器の回収に充てることが可能になりました」

結果的に人件費も抑えることができ、コスト削減につながっているという。

もちろん当初導入の目的としていた顧客データも蓄積しつつある。顧客がテーブルオーダーのQRコードを読み取ると、店舗スタッフ側のハンディに顧客データが連携されるため、何回目の来店か、過去にどんなメニューを注文していたかが一目瞭然なのだ。

2回目以降のリピーター客であれば、前回の来店日やファーストオーダー、これまで最も注文されたメニューなどの情報が手元に表示される

「今までリピーターの方かどうかは記憶ベースでしか判別できませんでしたが、このシステムがあれば、どのスタッフでもお客様の来店数や属性がわかるようになる。これによって『いつもご来店ありがとうございます』というように、一歩近づくコミュニケーションも取れるようになりました」

谷村氏曰く、「それぞれのお客様に合わせた店舗体験を提供できている」とのこと。オペレーションが効率化したことで、こうした有効なデータも積極的に活用していけるため、より丁寧でパーソナルな接客が可能になったのだ。

「“飲食”からもっと楽しく、おもしろく」をミッションに掲げ、オンラインの繋がりとオフラインの繋がりを大切にしている谷村氏

ターゲットを絞ったメッセージ配信で、確実な再来を促す努力

先述のとおり、LINE公式アカウントの友だち数は1万3500⼈を超えているが「正直僕らが頑張って増やした実感はほとんどない」と谷村氏は話す。というのも、『LINEミニアプリ』のテーブルオーダーをユーザーが利用する際、任意ではあるものの『LINE公式アカウント』への登録もセットになっているからだ。その結果、多くのお客が同社のLINE公式アカウントを友だち追加するに至った。

『LINEミニアプリ(左)』と『LINE公式アカウント(右)』のユーザーインターフェース。LINEミニアプリはテーブルオーダーなど主にサービスの提供を担い、LINE公式アカウントはメッセージやクーポンの配信といった個別のアプローチを可能にする(LINEミニアプリの利用開始時にスムーズに友だち追加される仕組みも備えている)

「LINE公式アカウントが素晴らしいのは、単に友だち全員へ情報を送れるというだけでなく、管理画面からターゲットを絞って的確なメッセージを送れることだと思います」。

また谷村氏がメッセージを作成する上で注意しているのが、長文にしないこと。見栄えの良い写真にキャプションを入れ、カードタイプで文章は短くして配信するなど、見てもらうための工夫も凝らしている。そんなLINE公式アカウントでのメッセージについて谷村氏は「従来のメルマガやポスティングと違い、LINEは友だちとメッセージする感覚なので、お客様もカジュアルに読んでくれているのかな、と感じています」と、LINEメッセージならではの「気軽さ」にも魅力を感じていると話す。

「管理画面ではメッセージの開封率やクリック率、また、アカウントのブロック率も見ることが出来るのですが、最近は開封率を上げブロック率を下げようと試みています。現状ターゲット配信しているのは、前回メッセージを送ってから新規で来店された方と、前回のメッセージを開封してくださった方。その際『来店してくれた方限定のクーポンです』というメッセージを発信しています」。

LINE公式アカウントからユーザーへ配信しているメッセージ。画像はカードタイプでスライドできるようにして、視認性を上げるとともにクリックを促進

クーポン配布やショップカードの機能も。特典の付与でリピーターを獲得

配信しているのはメッセージだけではない。2店舗目オープンの際には、1店舗目に通ってくれていたお客たちにも足を運んでもらおうと、LINE公式アカウントでクーポンを配布した。するとオープン後、新店に1日平均2組は、既存顧客が訪れたという。

また『ムゲン食堂』では、LINE上でポイントカードの発行管理ができる「ショップカード」機能も活用している(2021年11月取材当時)。来店ごとにポイントを貯めることで、累積ポイントに応じて特典が得られる仕組みだ。しかし、当初はなかなか登録してもらえなかったという。

「最初はレジ横にショップカードのQRコードを設置し、会計時にお声がけする形で促していました。でも、会計時はお客様も手がふさがっているタイミングなので、どうしてもスマホを出すまでに至らず、そのまま登録していただけないケースが多かったんです」

そこで谷村氏が考えたのは、従来の物理的なスタンプカードとの併用だった。

「紙のスタンプカードもご用意して、直接お渡しするようにしました。でも、紙だとどうしてもなくしてしまう方が多いんですよね。そこで、再来時に改めて『アプリなら常に携帯しやすいので便利ですよ』とおすすめするようにしたところ、納得して登録してくださる方が増えたんです」

顧客の動向やマインドに寄り添ったフローを臨機応変に取り入れたことで、利用率を上げることに成功。顧客への特典を設けることで、リピーターの獲得にも繋げられたという。

そんな『ムゲン食堂』ではLINE公式アカウントのメッセージ配信や、LINEミニアプリの掲載メニューの入れ替え作業なども谷村氏がひとりで行っているとのこと。この運用・管理のしやすさも魅力のひとつといえそうだ。

顧客満足度の向上に繋がる『LINEミニアプリ』

谷村氏を取材し印象に残っているのが「今までと同じことをやっても結果は同じ。だからこそ新しいことに挑戦しようというマインドで今回LINEミニアプリを導入しました」というチャレンジングな姿勢。今後のLINE公式アカウントの運用については、

「スマホゲームのログインボーナスのような形で、来店から数日後にメッセージを送るほか、来店5回目、10回目などの節目に特典クーポンを配信しても面白そう。お客様との関係をしっかり築いていきたいですね」

と展望も語ってくれた。ユーザーの利用ハードルも低く、事業主側の負担も少ない『LINEミニアプリ』。今後飲食業界に不可欠なツールとして、より注目が高まりそうだ。

■『LINEミニアプリ』の詳細はこちらから

[提供] LINE株式会社

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ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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