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飲食店が直面する仕入れ価格の高騰問題。小麦や食用油など業務用食品の値上げ相次ぐ

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画像素材:PIXTA

原材料の価格や物流コストの高騰などを背景に、業務用食品の価格改定が相次いでいる。今年も値上げラッシュが続くことが予想され、飲食店には厳しい一年になりそうだ。今回は、この春に値上げする業務用食品を一部ピックアップしてご紹介する。

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雪印、業務用200品目を値上げへ

■「雪印メグミルク」
値上げ対象:チーズ・ホイップクリームなど
値上げの理由:原材料の価格高騰。物流コストの高止まり、天候不順などによる

4月1日納品分から価格改定。対象商品はチーズ類、油脂類、ホイップクリーム類、練乳類など約200品目で、改定率は最大29%。

■「昭和産業」
値上げ対象:コーンスターチ・糖化製品
値上げの理由:主原料であるトウモロコシの価格高騰、肥料コストの上昇、産地の政情不安など

4月1日納品分から価格改定。コーンスターチ製品は1kgあたり15円、でん粉糖化製品(異性化糖・水あめ・ぶどう糖)は1kgあたり10円値上げした。

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食用油は2021年以降、5回目の価格改定

■「J-オイルミルズ」、「日清オイリオ」
値上げ対象:食用油
値上げの理由:主原料である大豆、菜種、パーム油などの価格高騰。降雨量や労働力不足などによる

J-オイルミルズは、4月1日納品分から価格改定。1kgあたり40円以上引き上げた(2022年2月1日納品分より価格改定を実施した菜種油製品を除く)。日清オイリオも、4月1日納品分から価格改定。斗缶当たり700円以上、1kgあたり40円以上引き上げた。さらに4月12日には、オリーブオイル、ごま油、こめ油等の食用油全般(2022年4月1日納品分より価格改定を実施した大豆、菜種等を主原料とする食用油を除く)の販売価格を、7月1日納入分より5~30%引き上げると発表した。

■「日清製粉」、「昭和産業」
値上げ対象:小麦粉
値上げの理由:輸入小麦の政府売渡価格が5銘柄平均で17.3%引上げられたため

日清製粉は、6月20日納品分から価格改定を実施。25kgあたりの価格で、強力系小麦粉は370円、中力系・薄力系小麦粉は325円、国内産小麦100%小麦粉は385円値上げする。また昭和産業も、6月20日納品分から価格改定を実施。25kg詰め1袋あたりの価格で、強力粉・準強力粉は370円、中力粉・薄力粉は325円、内麦100%粉は385円値上げする。

新型コロナの影響により客足が減少している飲食店に、追い打ちをかけるように業務用食品の値上げラッシュが続いている。『吉野家』や『いきなりステーキ』、『丸亀製麺』など大手飲食チェーンは次々と値上げに踏み切っているが、既存顧客維持のために、メニュー価格を引き上げるか、据え置いて他の部分でコストを削減するか、悩みどころだ。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。