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『下北六角』16坪で月商1,100万円超え。2TAPSの「勝利の方程式」を探る

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清澄白河にある飛松灯器の照明のほか、日本の職人が手がけた椅子や机などを採用した店内

2022年3月30日、下北沢駅前に開業した京王電鉄による商業施設「ミカン下北」。この商業施設の入口という好立地に店を構えるのが『下北六角』だ。手がけるのは『三茶呑場マルコ』など、三軒茶屋で繁盛店をいくつも送り出してきた2TAPS。彼ら初となる下北沢への出店である。

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クラフト焼酎をメインにした「シャパンクラフト」をテーマに、下北沢で勝負

2014年12月、和食と地酒、自然派ワインが味わえる『三茶呑場マルコ』の開業を皮切りに、2017年9月にカウンターと立ち席のみの『ニューマルコ』、2018年11月に立ち飲みスタイルの酒場『コマル』、2020年5月に『食堂かど。』をオープンさせた2TAPS。各店とも飲食店激戦区・三軒茶屋に立地しながらも、坪月商70万円超えという繁盛ぶりを見せている。

引き戸はガラス面積が大きく、外からも賑わいがよく見える

「リサーチ不足だったというのもありますが、『三茶呑場マルコ』をオープンさせた8年前、下北沢は三軒茶屋よりも大衆文化が強く、客単価が合わないと思っていました」

そう語るのは2TAPS代表の河内 亮(かわうち・りょう)氏。しかし三軒茶屋の店舗へも下北沢から訪れるお客が多く、時代も変化し、下北沢で飲食店を営むことに対し可能性を感じるようになったという。

さらに1年半前、常連客経由で「ミカン下北」への出店オファーが舞い込む。場所は商業施設の入口であり、駅からも至近距離となる一等地。家賃は割高であったが値下げ交渉を続け、もともと共有スペースの予定だったテラス席の占有も条件に、入居を決めた。

敷地は店内12坪、テラス席が4坪あり、席数は店内のカウンター8席、テーブル18席、テラスが16席で合わせて42席。最近増床した『三茶呑場マルコ』と同じ規模だが、『ニューマルコ』『コマル』『食堂かど。』よりも席数が多い店舗となる。

河内氏へ出店のオファーがあった際、すでに商業施設内の半分以上のテナントが決まっており、そのほとんどが異国系の飲食店だった。「2TAPSには和でお願いしたい」と相談が持ちかけられたこともあり、今回ジャパンクラフトをテーマとした。

商業施設の入口側にある緑に囲まれたテラス席

これまで2TAPSの店舗では、日本酒や自然派ワイン、サワーなどを多く取り揃えていたが、今回中心に据えたドリンクは焼酎だ。

「日本酒やワインはすでに詳しいお客様も多いし、色々な販路が確立されている。一方、焼酎は酒屋さんや若い蔵元さんから『良いものを作っているけれど、売り方がわからない』という相談を頻繁に受けていました。焼酎蔵の作り手も世代交代が進み、香りの良いものや発泡感のあるものなど新しい商品も出てきているのに、それが知られていないのはもったいない。飲食店側で何か力になれないかと思ったんです」

加えて九州出身のスタッフが多く在籍していたことも、これを後押しした。また2TAPSでは各店舗を回遊するお客が多いため「違ったアプローチの店にしないと『新しいお店、出したんだね』で終わってしまう」という懸念もあった。これからインバウンド需要が戻ることも予想されるため、焼酎をメインに据えたジャパンクラフトというテーマで勝負に出た。

店舗のデザインも、日本のものづくり文化が感じられるよう工夫した。暖簾や、木の引き戸、椅子や机などに至るまで技術力の高い日本の職人が手がけた名品を選んでいる。

ちなみに『下北六角』という店名は、これまでの店舗に加えセントラルキッチンも合わせると今回が6店舗目であること、「ミカン下北」の角地に立地することから名付けられている。

メインロゴは『ニューマルコ』時代からお世話になっているプロダクトデザイナーのShingo Kurono氏がデザイン。かつて下北沢の駅中にあったテープ文字にインスパイアされたフォントと六角形がポイントとなったロゴで、「昔の下北から新しい下北へ」というメッセージが込められている。

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中森りほ

About 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。