【９月】飲食店の売上動向調査。価格高騰などの影響で52.9％が減収・減益
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新型コロナの流行から3年目となる2022年9月。感染対策と経済活動の両立を目指す方針が取られた一方で、様々なモノやサービスの値上げが相次ぎ、飲食店経営の新たな課題となっている。こうしたなか弊社の調査サービスである「飲食店リサーチ」では、飲食店経営者・運営者を対象に2022年9月の売上動向についてアンケート調査を実施した。変化する社会情勢のなかで、飲食店経営の現状を読み解く。
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■調査概要
調査対象：飲食店ドットコム会員（飲食店経営者・運営者）
回答数：416名
調査期間：2022年10月28日～2022年10月31日
調査方法：インターネット調査
■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち75％が1店舗のみを運営。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は50％（首都圏の飲食店の割合は66.6％）となっており、こうした背景が結果に影響していると推測される。
9月売上75％がコロナ禍以前を下回る。半数以上が「減収・減益」
2022年9月の売上に関して、新型コロナの影響がなかった2019年同月比について尋ねると、回答者の74.8％が「90％以下」であると回答。飲食店の大多数は、未だにコロナ前の水準まで売上高を回復しきれていないことが明らかになった。一方で「110％以上」の増収であると回答したのは14.2％を占め、一部ではコロナ禍を乗り越えて2019年以上の売上を出している飲食店も見られた。
続いて9月の売上と利益を2019年同月比で見ると、半数以上にあたる52.9％が「減収・減益」であると回答した。
一方で2番目に多い回答は「増収・増益（8.2％）」、続いて3番目に多い回答は「減収・増益（7.2％）」となり、わずかではあるが、収益化に成功している店舗も見られた。
コロナ脱却の過渡期で、集客・人員確保・仕入高・キャッシュフロー難が課題
現状における課題や悩みについての自由回答のアンケートでは、新型コロナの影響から少しずつ抜け出すなかで深刻化する人手不足や、価格高騰によるキャッシュフローへの懸念、税金にまつわる課題などが多く寄せられた。
■来客数が戻りつつある状況で、複雑化する人員確保の問題
・年末に向けて人手不足を感じる（東京都／居酒屋／2店舗）
・もっと意識の高い人材が欲しい（東京都／専門料理／1店舗）
・閑散期と繁忙期の差が大きく、アルバイトの人数を調整しにくい（東京都／カフェ／2店舗）
■原材料費・光熱費・最低時給の高騰で、キャッシュフローに打撃
・原価と光熱費が上がり続けている。価格転嫁したところ早速口コミに値段が高い旨の書き込みが複数あった（神奈川県／アジア料理／1店舗）
・運転資金に使うキャッシュがなくなってきていて、金策をどうするか悩んでいます（神奈川県／カフェ／1店舗）
・食材費をやり繰りして、あちこちの店で見て回って買っている（神奈川県／カラオケ／1店舗）
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■いまだ出口の見えない集客への課題
・コロナの影響が響き、集客にばらつきがありすぎる（千葉県／居酒屋・ダイニングバー／１店舗）
・今まで利益が出ていた「宴会」など、大人数の代わりになるような売上施策を早急に打たないといけない（愛知県／和食／1店舗）
・テレワークの増加に伴う公共交通機関の終電早まりがボディブローのように効いている（東京都／居酒屋・ダイニングバー／1店舗）
■飲食店向け公的金融施策、及び納税・節税に関する悩み
・補助金、助成金等の制度が把握出来ていない（秋田県／イタリア料理／6〜10店舗）
・助成金、補助金、給付金など運営の助けになる制度を活用したいが相談先が分からない（東京都／中華／1店舗）
・税理士のアドバイスが役に立った。協力金を受け取ったが、それにより増加するであろう納税額を予測したキャッシュフローシミュレーションを組んでくれた（東京都／アジア料理／2店舗）
飲食店はいまだに新型コロナの影響を受けているものの、少しずつ回復へ向かっている様子が数字や自由記述から読み取れる。社会情勢の波を柔軟に把握しながら、キャッシュフロー安定化に向けた的確な舵取りが重要な時代に入った。
