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飲食店は第8波の中で忘年会シーズンに突入。客足増えるも人手不足に悩む店舗も

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いよいよ明日から師走、飲食店は書き入れ時を迎える。コロナ禍で3度目となる忘年会シーズンだが、飲食店を取り巻く環境はどのように変化しているのだろうか。

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第8波が到来する中で始まる忘年会シーズン。政府の対応は?

新型コロナウイルスの感染者数は11月に入り急増。11月29日は東京で1万4680人、全国で12万7422人の新規感染者が確認された。まさに「第8波」が到来したといえる状況だ。

政府は11月初頭から第8波の対応策を検討。新たな行動制限や飲食店への時短要請などは行わず、都道府県単位で感染拡大防止に努めていく方針を決定した。

都道府県ごとに「対策強化宣言」と「医療非常事態宣言」を発令できるように

都道府県は、4段階の感染状況におけるレベル3の医療負荷増大期に達した時点で「対策強化宣言」を発令できる。これによって住民に対し「混雑を避ける」「大人数での会食を見合わせる」といった呼びかけが可能になる。

さらに、感染拡大が続きレベル4の医療機能不全期に達したら、「医療非常事態宣言」を発令。出勤の大幅な抑制や旅行の自粛などを要請できる。いずれも法的拘束力はなく、また飲食店への時短要請もない。

第8波が拡がりつつある中、政府は新型コロナウイルスの扱いについて議論を進めている。11月29日には加藤勝信厚生労働相が、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけについて見直しを始めることを表明。現在の「2類相当」から、季節性インフルエンザと同等の「5類」に変更することを検討していくという。

「5類」になれば、感染者に対する就業制限や外出自粛要請がなくなる。これまで感染拡大の原因の一つとされてきた飲食店への風当たりも変わるだろう。加藤厚労相は、「専門家の意見を聞きながら、最新のエビデンスに基づき、総合的に早期に議論を進めていきたい」と会見で語っている。

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第8波が到来する中で消費者の外食意欲は?

こうした中、飲食店の客足はどのように変化しているのだろう。飲食店向け予約台帳サービスを提供するトレタが発表したデータによると、11月21日~11月27日の来店人数は前週比で108.9%。コロナ禍前の2019年と比較しても、10月は全週が80%台だったのに対し、この週は90.1%まで回復。第8波の懸念はありつつも、忘年会シーズンに向けて客足は増加傾向にあるようだ。

しかし、客足は増加しているものの、その影響で飲食店は「人手不足」という大きな課題にぶつかっている。弊社の調査サービスである「飲食店リサーチ」では、飲食店経営者からこのような声が。

「忙しくなりもう少し人手が欲しい日もあるが、もう1人雇うとなると人件費負担が大きすぎる」(京都府/カフェ/1店舗)
「人材不足により売上アップの施策が打てない」 (大阪府/鉄板焼き・お好み焼/1店舗)
「とにかく人が採用できない。また、感染数が増加してきているのも心配」 (東京都/お弁当・惣菜・デリ/6~10店舗)

毎年、繁忙期になると人手不足に陥りがちな飲食業界だが、コロナ禍を経て求職者の意識が変化。「コロナの影響を受けやすい業界である」といった理由から、募集をかけても人材が集まりづらい状況が続いているようだ。

2023年に向けてラストスパート

コロナ禍で迎える3度目の忘年会シーズン。消費者の外食ニーズは高まりつつあるものの、飲食店は第8波の懸念、さらには人材不足、食材高騰などの課題を抱えながらの難しい営業を迫られそうだ。ただ、政府が新型コロナの位置づけの見直しを始めるなど、環境が変化しそうな明るい話題も少しずつ出てきた。2023年を気持ちよく迎えられるようラストスパートをかけたいものだ。

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ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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