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最盛期は年商2億円超え、伝説のもつ焼き店『秋元屋』。秋元宏之氏の「成長を止めない店作り」

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串物は140円~。右からたん・かしら・しろころ・かしらあぶら。タレ、塩に加えて「味噌ダレ」があるのが『秋元屋』の特徴だ

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お客を引きつける「秋元屋らしさ」とは

秋元氏自らが名店と呼ばれる酒場を飲み歩き、「いい」と思ったものを吸収し作り上げたのが『秋元屋』だ。ドリンクメニューを見れば、白黒選べるホッピーやキンミヤ焼酎、そのキンミヤ焼酎を凍らせて供する「シャリキン」、下町酒場でおなじみの「バイスサワー」など、酒場好きが唸るチョイスである。だが、秋元氏は、「今うちで出しているものに新しいものは何にもない」と断言する。

「開店当時はこういうものが珍しいから人が集まったところもあるけれど、今はどこでも当たり前にやっている。少なくとも今は飲み物で他店と差別化することは無理だと思います。どこでうちに来てもらうかというと、フードと接客。それ以外にはないと思います」

『秋元屋』ならではのフードといえば、なんといっても味噌ダレを使った串焼きだ。脂の乗ったもつに絡む、コクのある味噌ダレの美味しさに人々は魅了される。「ガツ酢」「ブロッコリー」「ポテマカサラダ」などのサイドメニューも気が利いている。酒場好きならば、メニューを見ているだけで一杯やりたくなることだろう。

『秋元屋』のフードメニュー。酒好き垂涎のラインナップだ

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また、メニュー自体に大きな変更はないそうだが、『秋元屋』は創業当時から現在まで細かな進化を続けている。例えば“最悪”だった煮込みは、現在でも仕入れや味付けが改良され、マイナーチェンジを重ねているという。

焼き場のスタッフも休日に他店に通い、昔日の秋元氏のように他店のいいところを覚え、現場の仕事に反映させている。この「来る度に美味しくなっている」という感覚が、リピーターを生んだのではと秋元氏は振り返る。

では、『秋元屋』らしい「接客」とはなんだろうか。

「一生懸命仕事に取り組み、お客に対して返事をきちんとすることですね。当たり前のことなのですが、当たり前のことができていない店が多い」

接客における「当たり前のこと」とは、『秋元屋』を見渡せばわかる。例えば、よく冷えたグラスで飲み物を提供し、グラスが空けば、次をどうするかは急かさず客を待つ。串物を頼んだ時には、1本ずつ味をどうするか聞いてくれ、迷っている客には、おすすめの食べ方を教えてくれる。店内はそんな「当たり前」に溢れている。

心地よさを演出するためには、居酒屋らしいかけ声も、過剰な接客もいらない。料理も飲み物も可能な限りベストな状態で提供し、必要十分なホスピタリティで客の要望に応える。だからこそ、うまい酒とつまみを心ゆくまで楽しめる空間が生まれ、そこに人々は集うのだろう。

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髙松 孟晋

ライター: 髙松 孟晋

女性誌やグルメガイド系の雑誌・MOOKを中心に、カルチャー誌・音楽誌などで活動してきたサブカル世代の多様性担当ライター。おいしいものとインターネットが大好き。