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飲食店が「ChatGPT」を活用するためのテクニック。メニュー開発からSNS運用まで

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画像素材:PIXTA

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飲食店が今すぐ使える、ChatGPT活用テクニック

今回は例として、夏の新作メニューを一緒に考えてもらう。『夏にぴったりな料理を一緒に考えて』という問いかけに対し、より具体的で質の高いアウトプットをもらうためのポイントは以下の通りだ。

1、役割を明確にする
まず質問の冒頭に「あなたは優秀なプロの調理師です。私たちは創作和食居酒屋の個人店を経営していて、今回は夏にぴったりな新作料理を作りたいです」など、回答者(ChatGPT)の役割や立場を明確に示す。

2、既存の例を見せる
「春の限定メニューでは、サワラの塩麹焼きや筍ごはんが人気でした」など、回答に類似するサンプルを提供する。

3、逆質問を要求する
最後に「足りない情報があれば、私に質問をしてください」とつけ足す。回答を出す上で不足している部分に補足説明ができるため、意図する回答に近づきやすくなる。

もし回答の内容に違和感があれば、その部分を指摘したり、意図する方向へ軌道修正する質問を挟むと改善される可能性が高い。また、英語を使って質問することで、より高い精度の回答が得られることもある。

「ややハードルの高いテクニックではありますが、翻訳ツールなどを使いながら英語で質問してみるのも一つの方法です。回答を日本語で出してもらうよう指示すれば、よりスムーズなコミュニケーションが図れるかもしれません」(小関)

ただし、英語圏の文化や思考が回答に若干の影響を及ぼすこともあるそう。その辺りを考慮する必要はあるが、指示が複雑になる場合は有効な手段といえるだろう。

飲食店オーナーになりきって、ChatGPTと戦略会議をしてみた

上記のポイントを意識しながら、実際にChatGPTに質問を投げかけてみた。

1、「新メニュー開発の壁打ち相手になってください」
壁打ち相手をこころよく引き受けてくれたものの、こちらのアイデアをオウム返しするのみ。軌道修正するため意見を求める問いかけをしたところ、回答に具体性が出た。そして考案してくれたメニュー名はどれも斬新。店の雰囲気に合わせて修正を依頼すると、全く雰囲気の異なるアイデアに刷新してくれた(※参照1)

2、「SNSでバズる投稿を考えてください」
「バズる投稿を考えて」と依頼したところ、集客施策のアイデアをいくつか提示された。優先順位をつけるために逆質問を要求すると、こちらの意図に近い施策に絞り込むことができた。さらにSNS投稿文章の素案を依頼すると、その精度は高く、さらにターゲットの変更や文字量の調整にも適切に対応してくれた(※参照2)

ツイッター用に短い投稿文の例も示してくれた

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3、「店内の貼り紙が炎上しないかチェックしてください」
2時間制の導入をお知らせする簡単な文章を提示して、炎上しないかチェックを依頼した。炎上リスクは低いと判断されたが、さらに好印象を与えるポイントを教えてくれた。指示に従い書き直し、そのチェックとブラッシュアップを依頼したところ、具体的な文章で提示してくれた(※参照3)

炎上しないかという観点で文章をチェック。よりリスクを回避するための的確なアドバイスも

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。