連日3~4回転する抜群の集客力! 『下北酒場 こいどろぼう』が若者の心を捉える理由
「接客の基本は『お客様ファースト』。あまりお酒を飲まない人にも楽しんでほしい」
アラカルトで40品ほどそろえるメニューのうち、名物は「明太とろろ鍋」。明太とろろを客席でかけて仕上げる演出も評判で、ほとんどのお客が注文する。そのほか人気は、「馬肉ユッケ三種盛り」や「こだわりのカプレーゼ」、「パルミジャーノ馬肉つくね」など。温泉卵をのせた「ポテトサラダ」や、タルタルソースといくらを添えた「サーモンのレア唐揚げ」など、いずれも写真を撮るだけで映えるような盛り付けや彩りにこだわっている。
「メニューはQRコードで読み込んで注文してもらいますが、すべて写真入りで掲載しています。食材の選び方も気を付けていて、たとえば魚介では『カツオのたたき』などのアプローチだとちょっと渋すぎるので、若い人に人気のあるサーモンを多くそろえています」(川口氏)
若者の感覚をリアルに取り入れたメニュー構成が、「どれを食べても美味しい!」というお客の評価に繋がっている。
さらにお酒の品揃えも、若者に照準を合わせたラインナップを徹底。若い世代では日本酒や焼酎をほとんど飲んだことがないという人も多く、実際に同店でも注文率はそこまで高くない。そこで、淡い水色の「こいどろレモンサワー」をはじめ、カラフルなアイスを浮かべた「まるごとアイスの実サワー」など、見た目が華やかで、甘く飲みやすいお酒を充実させている。お茶やジュースのほか、紅茶豆乳や抹茶ラテ、「みっくちゅじゅーちゅ」などのソフトドリンクも種類豊富だ。
画像を見る店のロゴが入ったグラスはお客が思わず写真を撮りたくなり、かつSNSでの宣伝効果もあることから、昨今取り入れる店が増えている演出だが、『こいどろぼう』はこうした“今っぽさ”に思い切り振り切った店づくりが潔い。ここはリアルな若者世代が「自分や仲間の好きなモノ・コト」を集めた結果、自然と形成された空間なのだろう。そこに手探りの狙いはない。
また、サワーを注文すると「チンチロ」に挑戦でき、サイコロの目が揃えば倍ジョッキへの変更や1杯無料といったサービスも用意している。普段はあまりお酒を飲まない若い層でも楽しめる雰囲気づくりが巧みだ。
画像を見る『下北酒場 こいどろぼう』の口コミを見ると「店員さんが明るくてよかった」、「親切だった」、「楽しかった」といった接客への好意的なコメントが多い。川口氏は「今後、店を増やしていくためにもスタッフの教育には力を入れており、社員も増やしています。スタッフはみんな仲がよく、それが店の雰囲気にも繋がっているのでは」と説明する。
「接客の基本は、『お客様ファースト』。うちを選んでくれたお客様に後悔させないように、店に来てくれたお客様全員がリピーターになってもらえるようにという思いで日々店に立つようスタッフにも伝えています。また、店に立つオーナーが先頭に立って頑張る背中を見せること、スタッフが楽しんで働ける環境づくりも大事にしています」(川口氏)