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「募集しても応募がこない」を打開! 飲食店求人サービス担当に聞く、飲食で働きたい人材の獲得術

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シンクロ・フード HRサービス本部マネージャーの久保谷勇大氏

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飲食店における人手不足の現状。その一つの実態として、「求人を出しているのに、応募者がこない」という課題がある。本記事では飲食専門の求人サービス「求人飲食店ドットコム」を運営する、弊社シンクロ・フード HRサービス本部マネージャーの久保谷勇大氏への取材を通し、応募者のアクションを促す効果的なPR文の作り方について解説する。

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主流になりつつある「月8日休み」。「残業代別途支給」が新たなパワーワードに

アフターコロナの今、人材獲得に苦戦している飲食店事業者は多い。そのため、給与のアップや休日の確保など、待遇の改善に取り組む店も増えてきた。最近の求人事情について久保谷氏は「かつては求人票に書いたら応募が殺到すると言われていた『月8日休み』という言葉も、もはやパワーワードではなくなってきました」とその変化を明かす。現在では約半数以上の事業者が「月8日休み」を謳っており、休日の日数だけでは差別化が図れなくなってきている。

そこで今、新たにパワーワードとなっているのが「残業代別途支給」だ。

「休日の日数もそうですが、飲食業界は労働時間が長いというイメージが強いため『残業代別途支給』というワードは求職者にとって魅力的に映ります」と久保谷氏。一方で、求人票の書き方には工夫も必要だという。

「『残業代別途支給』のワード自体は有効なのですが、掲載する総支給額の面でみると、みなし残業制の方が必然的に高い金額になるため、インパクトで負けてしまいますよね。そこで残業代を別途支給する場合も、従業員の平均残業代を上乗せした『モデル月給』を掲載すると、数字の印象に差が出にくくなる。求職者の反応も良くなりますよ」(久保谷氏)

「今は休みの日数ではなく、給与で差別化を図っている状況」と久保谷氏

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「平均勤務時間」や「モデル月給」など具体的な数字を明記することが大事

モデル月給の記載が有効であることからも分かるように、「他社との差別化を図る大きなポイントは、具体的な数字を明記すること」と久保谷氏。これは、実際に働いた時の様子をイメージしやすくするためでもあるという。

「働き盛りの20~30代の方を雇いたいと考えている飲食店事業者は多いと思うのですが、その世代は家庭を持ち始める時期でもあります。そのため、プライベートと両立できるかどうかを、シビアに見極めたいと考えている人が多い。例えば店の営業時間の中で実働は何時間なのか、平均残業時間はどれくらいなのかなど、具体的な拘束時間を気にされる傾向があります。このあたりの情報はしっかりと明記してあげると良いでしょう」(久保谷氏)

加えて「子育て中/○歳女性(または男性)従業員の一例:月給○円~」などとモデル月給を記載すれば、子どもがいる人でも働きやすい職場であることが伝わり、より家庭を持つ求職者へのアピールになるという。このほか家族手当など福利厚生を手厚くしている場合も、その手当はいくらなのか、明確に記載することが大事だ。

また「定着率が高い」、「独立サポートあり」などもアピールポイントになる。だからこそ「その理由までしっかり記載することが重要」と久保谷氏は話す。

「ただ『定着率が高い』とだけ記載しても、求職者の心にはあまり響きません。また、そもそも定着率が高いならなぜ求人を出しているのか?という疑問を持たれることもあるでしょう。この点に関しては、まずその募集が店舗拡大や新規出店を見据えたものであることを明確にする必要があります。その上で、『スタッフ同士仲が良く、お店の雰囲気も明るいから』とか、『福利厚生が充実していて、家庭のあるスタッフからも好評を得ているから』など、何らかの理由を添えると、そのアピールが腑に落ちてくる。独立サポートだったら、それがどのような制度なのか、その独立サポートを過去に何人が利用して、実際に独立を果たしたのか。また実際にその制度を利用した人の感想などを掲載すると、読者の納得度も高まると思います」

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。