「募集しても応募がこない」を打開! 飲食店求人サービス担当に聞く、飲食で働きたい人材の獲得術
店長クラスには独立支援を。アルバイトには時給や「ダブルワークOK」をアピール
求める雇用形態や職種によっても、アプローチの仕方は異なってくる。例えばマネージャーや店長、料理長クラスを採用したい場合は、業界的な平均給与に合わせられるかが最初の関門になる。その上でアピールポイントとなるのが「独立に寛容であること」。ある程度の役職を目指す求職者は、将来自分の店を持ちたいと考えているケースが多いため、その道筋が見えないと応募には至りにくい。
一方アルバイトの場合は、時給の高さが大前提ではあるものの、やはり『駅チカ』、『オシャレ』、『清潔感があるお店』といったポイントのアピールが有効だという。
「カフェやビストロ、バルなどの業態であれば、お店のおしゃれな雰囲気が伝わる写真を多く掲載することも、求職者へのリーチに効果的です」(久保谷氏)
またアルバイト採用に関して、最近のトレンドとして浮上しているのが「ダブルワークOK」というワードだ。この場合も「ただ『ダブルワークOK』と記載するだけでなく『週2日~、1日3時間~OK』など、勤務日数・時間の下限をしっかり明記するのがベター」と久保谷氏は助言する。
経験者を採用したいなら、キャリアに優位性を持たせる
即戦力となる経験者を求める場合は、時給の書き方を工夫するとより効果的だ。
「未経験者と経験者でスタート時給に差をつけているのであれば、求人票には経験者枠の方の時給を記載すると良いでしょう。その上で備考欄には、『※未経験や経験の浅い方は(経験者より低い)○円~のスタートです』と注釈を添える。時給を少しでも高く掲載することで、求職者の反応も変わってくると思います」
つまり、経験者の時給が1,300円~だった場合、給与欄にはそちらを記載し、備考欄などに「※未経験や経験の浅い方は1,200円~のスタートです」と記載するといった形だ。全体的に印象が良くなるだけでなく、キャリアに対する優位性を強調することで、求める層へ効果的なアプローチができる。
欲しい人材のイメージは「写真」で伝えよう
現在は、年齢や性別を制限して募集をかけることが法律上禁じられている。「すでに在籍されている従業員の中に、求める年齢層・性別の方がいるなら、その方々の働く様子を写真で紹介するのがおすすめです」と久保谷氏。ターゲット層にリーチしやすいのはもちろん、楽しそうに働く姿はイメージアップにもつながるだろう。
写真の点数はなるべく多い方が良いが、他のグルメサイトなどにすでに掲載している写真の流用は、求職者も閲覧済みである可能性が高いためできれば避けたい。久保谷氏は「可能であれば、新たに撮影したものを2~3枚掲載すると良いでしょう」と話す。
加えて本文でも、従業員のおおよその年齢層や男女比、学生やフリーター、主婦の割合など開示できる範囲で記載すると、より働くイメージが付きやすくなるはずだ。
掲載写真は8枚! 公開後も修正可能な「求人飲食店ドットコム」
最後に久保谷氏は、以下のようにアドバイスしてくれた。
「求職者の多くは複数の求人サービスを利用しているため、応募対象を比較検討した時に、明確に情報が得られる方を選びます。飲食店事業者は、求職者が実際に働いた状態をより高い解像度でイメージできるよう、具体的な情報をしっかり網羅して掲載することが最大のポイントです」
先述したポイント以外にもお店のポリシーや理念、社風などがあれば併せて記載することが、お互いのミスマッチを防ぐことにもつながるだろう。
久保谷氏がマネージャーを務める「求人飲食店ドットコム」は、飲食店への丁寧なヒアリングからこうした効果的な求人票の作成まで手厚くサポートしてくれる。サイトも文字数制限なし、掲載可能な写真の枚数は8枚と多いため、見やすく豊富な情報を求職者へ届けることができる。また、公開後もタイトルや写真、お店の特徴についての記載は利用者側で自由に編集が可能だ(募集条件や「お店データ」などの修正は要問い合わせ)。人材獲得競争が過熱する今だからこそ、紹介したポイントを押さえて、求める人材の獲得につなげてほしい。
