学芸大学『GASHIN8』が再始動。「出汁×ワイン」で挑む、協業によるブランド再生の全貌
看板メニューの再構築。「鮮魚・出汁」と「ワイン」の融合
リニューアルにあたり掲げられた「鮮魚、出汁、ワイン」という新コンセプトはどのように生まれたのだろうか。
「以前の『臥薪』も出汁には深いこだわりがありましたが、その魅力を今回さらに前面に打ち出しました」
その象徴が、着席したすべてのお客に最初に提供する「出汁」だ。熊本の予約困難店『手打そば優心』から継承したレシピを用いた一番出汁は、客の胃袋を温めると同時に、店のこだわりを強烈に印象付ける。
しかし、繊細な和の出汁とワインを合わせるのは容易ではない。そこで松原氏が注力したのが、ワインの選定と料理のアレンジだ。
「ワインはイタリアのワイナリーから独占輸入しているものを軸に、産地を問わず『生産者のストーリー』があるものを選んでいます。特に出汁のアミノ酸と相性の良い、ナチュラルワインのラインアップを強化しました。また、料理側でも歩み寄りが必要です。例えば『牛すじの塩煮込み』(750円)には白ワインやハーブを加えたり、『高菜と山葵のポテトサラダ』(680円)にはマスカルポーネを使ったりと、乳製品や発酵食品の要素を加えてワインとのペアリング適性を高めています」
「日本酒」もワイングラスで。既成概念にとらわれない提案
ドリンク戦略においても、『HUIT』らしい革新が見られる。従来の徳利で飲む辛口中心の日本酒スタイルを一新し、ワイングラスで香りや旨みを楽しむスタイルへとシフトした。注目すべきは、熊本・河津酒造と共同開発したオリジナル日本酒だ。
「河津酒造は、伝統的な製法を守りつつ、真空や圧搾といった化学的なアプローチも取り入れるユニークな酒蔵です。通常、日本酒は米を削って雑味を消すのが良しとされますが、あえてタンパク質(雑味)を残し、それを旨みに変える『ライスワイン』としてのアプローチをとっています」
ワイン愛好家の多い学芸大学エリアの客層に対し、「日本酒=和食」という固定観念を崩し、洋食のように楽しめる新たな選択肢を提示している。







