飲食店ドットコムのサービス

『丸亀製麺』が従業員の子どもに月1万円支給! 飲食店が導入すべき福利厚生・食事補助の最新事例

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

画像素材:トリドールホールディングスプレスリリースより

画像を見る

人手不足が常態化する飲食業界において、従業員の定着は重要な経営課題である。賃上げだけでは人材確保が難しくなる中、近年注目されているのが「福利厚生としての食事補助」だ。中でも、『丸亀製麺』が開始した「家族食堂制度」は、従来の枠を一歩広げた事例として注目されている(参照1)

>>飲食店“専門”の求人サイトだから即戦力が見つかる。社員とアルバイトまとめて19,800円で掲載可!

年間最大12万円分! 『丸亀製麺』が「食事補助」を家族にまで広げた理由

『丸亀製麺』は、従業員の中学3年生以下の子どもを対象に、子ども1人につき月額最大1万円(年間最大12万円)の食事代を補助する「家族食堂制度」を開始した。運営会社のトリドールホールディングスでは、『丸亀製麺』に加え『天ぷらまきの』、『やきとり屋とりどーる』、『長田本庄軒』、『豚屋とん一』でもこの「家族食堂制度」をスタートしている。対象者は『丸亀製麺』と同様だが、残り4ブランドについては月額最大5,000円の食事支援(利用条件はブランドにより異なる)を行う。

本制度の特徴は、単なる給与増額ではなく、家族の食事負担を軽減する点にあるだろう。物価高騰が続く中、子育て世帯の家計負担は増し続けている。そうした状況下で「食」に直結する支援を行うことは、飲食企業ならではのアプローチといえそうだ。

運営会社であるトリドールホールディングスは、「心的資本経営」を推進し、従業員の「心の幸せ」を重視する方針を掲げている。家族まで対象を広げた今回の制度は、その姿勢を具体化した取り組みといえるのではないだろうか。

飲食業は勤務時間が不規則になりやすく、家族の理解が不可欠な業態だ。家族への直接的な支援は、従業員の安心感や企業への信頼感を高め、結果として離職抑制につながる可能性も期待できる。

人材獲得競争が激しさを増す中、こうした取り組みは採用面でも大きな差別化要因となりそうだ。

画像素材:トリドールホールディングスプレスリリースより

画像を見る

個人店でも真似できる? 「福利厚生・食事補助」を離職防止につなげるコツ

個人店にとって、大手企業のように高額な補助を実施することは容易ではないはずだ。ただし、福利厚生の価値は、支給額の大きさだけで決まるものとは言い切れない。

例えば、勤務日のまかない補助の充実やシフトイン日の食事割引、家族同伴時の優待制度などは、比較的導入しやすい施策だろう。これらは、固定費を大きく増やさずに実施できる点も現実的といえる。たとえ月数千円規模の補助でも、継続的に実施することで、働く側に「自分は大切にされている」という実感が生まれやすいはずだ。

また、食事補助は、税制上一定の要件を満たせば給与課税の対象外とすることも可能だ。さらに令和8年度の税制改正により、非課税とされる食事支給の負担額上限が、現行の月額3,500円から月額7,500円に引き上げられることになった(参照2)(参照3)。制度設計次第でコスト効率を高められる点も、見逃せないポイントといえる。

今回の取り組みから見えてくるのは、スタッフ本人だけでなく、その家族にも価値が届く設計の重要性だ。家族が職場を応援する存在になれば、離職率の低下や採用コストの抑制にもつながるだろう。

人材確保競争が激化する中、福利厚生は単なるコストではなく、将来への投資として再評価されつつある。『丸亀製麺』の事例は、飲食店経営における福利厚生の可能性を示す、興味深い一例といえそうだ。

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
すずきあゆみ

ライター: すずきあゆみ

フリーライター。飲食業界で約8年にわたり接客・調理に携わった経験をもとに、現場目線を大切にした取材・執筆を行っている。現在は食・暮らし・働き方を中心に、インタビューやコラムなど幅広く執筆中。 https://www.instagram.com/ayumisuzuki__/