2015-2016年、鍋料理の人気ランキング。この冬のトレンドは「北陸鍋」
この冬、大人気の「ぶりしゃぶ」
今年の冬も鉄板メニューで集客を！
少しずつ冬の足音が聞こえてきたこの頃。今年はエルニーニョ現象の影響で暖冬だと予想されているが、そうは言っても寒いことには変わりない。飲食店にとっては、寒い日にこそ売れる「あったかメニュー」が、売上を引っ張る存在になることは間違いないだろう。
あったかメニューといえば鍋料理やおでんが真っ先に思い浮かぶ。料理自体が熱を持ち、食べるだけで体が温まるこれらのメニューは、まさにあったかメニューの王道と言えるだろう。
こうしたパッと見でわかるメニューのほかにも、食材が持つ効能によって体を温めることができるメニューもある。たとえば生姜には辛味成分であるジンゲロンやショウガオールが含まれており、これらの成分には体を温めて発汗を促す作用があると言われている。また、ねぎの葉にはビタミンCが豊富に含まれており、毛細血管の機能を維持するための働きをするという。ほかにも人参やごぼうなどの根菜類、赤身肉や卵といった動物性食品、りんごやさくらんぼなどの北方産の果物にも体を温める効果があるとされている。これらの食材を用いれば、料理自体に強い熱を持たなくても、十分あったかメニューとして売り出していけると言うわけだ。
とはいえ、消費者が外食をする際「今日は寒いからごぼうを食べよう」とはならない。そのため、ホームページなどの集客ツールで「寒い冬を乗り切る根菜メニューはじめました」と謳ってもあまり意味がない。やはり、鍋やおでんといった鉄板メニューで勝負しつつ、その中に体を温める食材を用いるのが良いだろう。
Photo by Banzai Hiroaki「DSC_0005.JPG」
冬に食べたい料理、消費者のホンネは？
では、実際のところ消費者に人気がある冬メニューとはどのようなものなのだろうか。「HOT PEPPER グルメリサーチセンター」がおこなった調査では以下のようなアンケート結果が得られたようだ。
【必ず食べたい冬の味覚-外食編-】
■メニュー部門
1位：しゃぶしゃぶ（23.7％）、2位：すき焼き（20.8％）、3位：海鮮鍋・寄せ鍋（18.6％）
■素材部門（魚介類）
1位：カニ（25.0％）、2位：牡蠣（20.0％）、3位：ふぐ（13.5％）
■素材部門（野菜・果物）
1位：白菜（5.7％）、2位：大根・かぶ（4.5％）、3位：ほうれん草・小松菜、カボチャ（2.3％）
※回答は一択制。パーセンテージは得票の構成率を表している。
メニュー部門の第1位はしゃぶしゃぶ。キムチ鍋（13.1％）やおでん（11.6％）などの冬の定番メニューを抑えての堂々たる1位だ。ほかにも湯豆腐（7.0％）、シチュー（5.4％）といったメニューがランクインしていた。
傾向としては、やはり鍋料理が圧倒的な人気。しかし人気メニューだけに、鍋料理で勝負する競合店が多いのも事実。鍋料理をメインに勝負するなら、独自性を打ち出す、またはトレンドを取り入れるなどの工夫をおこなうことが大切だ。
今年の鍋トレンド、注目の1位は北陸鍋
最後に今年の鍋料理のトレンドをご紹介しよう。『ぐるなび』がおこなった調査によると、今年新たに流行りそうな鍋として以下の5つがランクインしていた。
■あなたがこの冬食べてみたいと思う鍋は？（TOP5）
1位：北陸鍋（89.0％）
2位：高級冬魚鍋（85.1％）
3位：がっつり肉鍋（77.0％）
4位：スーパーフード鍋（70.4％）
5位：ジビエ鍋（59.2％）
※パーセンテージは「食べてみたい」と答えたユーザーの構成率
2015年3月に開通した北陸新幹線の影響からか、この冬は北陸の食材を用いた北陸鍋が1位にランクイン。のどぐろしゃぶしゃぶ、ぶりしゃぶといった鍋料理に注目が集まっているようだ。2位は高級冬魚鍋。最近の消費者は「本当に良いものを食べたい」と考える傾向にあるようで、ふぐやあんこうといった高級魚を用いた鍋料理に加え、「うに×あんこう」のようなハイブリッド型の鍋料理に話題が集まっているのだとか。さらに今年のグルメ界を賑わせたスーパーフードを用いた鍋料理も4位にランクイン。ポン酢のかわりにシークニンを用いたりと、美容効果が望める鍋料理は、女性客を中心に人気を獲得していきそうだ。
さて、今回は冬の飲食店を盛り上げる「あったかメニュー」についてご紹介した。体を温めてくれる健康メニューはいくつかある。しかし飲食店の集客を考えると鍋料理などの直球メニューが一番効果的だろう。トレンドを取り入れつつ、今年らしい鍋料理で集客に繋げてほしい。
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