飲食店ドットコムのサービス

電力の小売全面自由化で何が変わる? 電気代が5~6%お得になる飲食店も

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

2016年4月1日から電力小売りの全面自由化がスタートする。これにより家庭や個人商店も電力の購入企業を自由に選ぶことが可能となる。今回はこの「電力小売全面自由化」が飲食店にどのような影響を与えるのかを考えていきたい。

どんな事業者が参入しているの?

資源エネルギー庁によると、小売電力事業者として登録している企業は、2016年3月7日時点で210社にもなる。今までは、地域の電力会社から電気を購入していたが、全面自由化がされると地域独占の体制はなくなる。これからは違う地域の電気事業参入会社からも、電気を購入することができるのだ。

参入企業は、通信会社や総合商社、ケーブルテレビ会社と様々。たとえばガス会社なら、ガスと電気を同時に契約すれば割引をおこなうなど、それぞれの企業が特徴を生かしたサービスを打ちだしている。

消費者のニーズに応える電力の小売り全面自由化

先にも述べた通り、電力業界には様々な異業種企業が参入している。では、消費者にとってはどんなメリットがあるのだろうか。

■電気料金が安くなる
新規参入企業が増えるということは、価格やサービス面で競争が起きるということ。消費者側としては、安い電力会社、サービスの良い電力会社を選べるようになる。またガス会社や通信会社といった異業種も参入するため、他サービスと電気料金をパッケージにした「セット割引」などが生まれる。

■新しい発電事業を応援することも可能に
電力をつくる方法はさまざまだが、最近は自然エネルギーを用いた発電方法にも注目が集まっている。この電力小売全面自由化により、様々な企業と契約ができるようになるので、たとえば再生可能エネルギーを中心とした電力を販売する会社と契約することにより、こうした事業を応援することも可能だ。

飲食店にとってのメリットは

では、飲食店ではどれほど電気代が安くなるのか? 東京ガスのWebサイトを参考に紹介しよう。ちなみに飲食店で東京ガスを使用している場合、ガスとのセット割が使える。

■東京ガスを契約中のそば店Aの場合
席数32席、年間の電気代が約67万円。この店舗が東京電力から東京ガスに乗り替えると、年間約44,000円も安く電力を使える計算になる。この金額は使用する電気量によって変わってくるが、セット割などを用いると最大で5~6%は安くなるらしい。東京ガスのサイトでは、料金がどれくらい安くなるかシミュレーションもできるので活用したい。

電力会社の切り替え、まずはどこに連絡すればいい?

まずは、切り替えたい電力会社へ申し込もう。これまで契約していた電力会社への解約手続きは、切り替え先の電力会社が代行してくれるそう。

そして、最初に電気会社を切り替える場合には、メーターの交換が必要となる。これまでの電気メーターを高機能電力メーターである「スマートメーター」に切り替えなくてはならないのだ。これには2週間ほどの期間が必要だとされている。ただし、交換に費用はかからない。また店内の工事も必要ないので、これまでと変わらず電力を使用することができる。詳細は契約する電力会社に問い合わせるのがいいだろう。

電力自由化によって消費者が受けられるメリットは小さくない。とはいえ、今すぐに電力会社を切り替えなくとも、これまでと変わらず電力の使用はできるので、焦らなくても大丈夫。いろいろなサービスをじっくり比べてみるのをおすすめする。

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
いずみかな

ライター: いずみかな

グルメやライフスタイル、育児などを中心に編集執筆業をおこなう。2015年からフリーランスとしての業務を開始。タウン情報誌やレストラン情報を扱うWeb媒体で取材や執筆をしており、特にケーキや洋菓子に興味がある。