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飲食店の個人経営者に欠かせない経理業務。「入力代行サービス」で負担を軽減する選択肢も

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Photo by iStock.com/kitzcorner

飲食店経営者は個人事業主になって初めて経理業務を経験する人も多く、苦労するケースも多い。慣れない経理業務に時間を取られ、本業である飲食店の運営がおろそかになってしまっては本末転倒だ。そこでここでは、経理業務に苦労している飲食店経営者、そしてこれから独立を考えている方に経理代行サービスについて説明する。

そもそも経理業務とは

そもそも経理業務とは何だろうか? 大きくは、以下のように分けられる。

1、記帳と事業損益の算出
会計ソフトを使い売上や経費の入力を行い、月ごとや年間で事業がどれくらい儲かっているかを算出する業務である。

2、現金管理とそれに関わる書類管理
現金がどれだけあるかを確認し、いつ・いくらの支払いがあるかを把握。この先の計画も練りつつ、現金が足りなくならないように管理することが現金管理である。合わせて、取引先から入手する請求書や領収書の管理、スタッフの給与の計算と支払い、飲食店では多くないかもしれないが取引先への請求書の発行も経理業務である。

3、確定申告(法人の場合は決算)
「1」で算出した年間の事業損益を元に、支払うべき税金額を確定して申告を行う業務である。

1つ1つは決して難しい業務ではなく、経営者であれば知識として知っておかなければならないことばかりだが、得意不得意や他の業務に時間を使いたいという思いもあるだろう。そんなときに検討してほしい、経理代行サービスを紹介する。

Photo by iStock.com/patpitchaya

経理代行サービスの概要

経理代行サービスは、提供企業によってサービスの範囲が異なるが、一般的には上記「1」の記帳業務を請け負ってくれる企業が多い。必要な書類(請求書や領収証など)を先方に送れば、帳簿に入力をしてくれるサービスである。これらは個人事業では後回しにしがちな業務であるが、代行サービスに依頼することで数日後には帳簿に入力された状態となり、事業の損益を把握することができる。

「2」の現金管理を外部企業に依頼するのは安全リスクを考えると難しいだろう。また、「3」の確定申告は税理士の独占業務であり、本人か税理士以外が税務署類の作成を行うことは税理士法で禁止されている。これを踏まえても、代行サービスを利用するのであれば、「1」の帳簿入力を依頼するのが効果的であると言えるだろう。

経理入力代行サービスを利用するメリット

具体的な経理入力代行サービスのメリットとは何だろうか? まず考えられるのが「本業に集中できる」というメリットである。飲食店.COMの過去の調査では、月間で経理業務に5時間程度かける経営者は44%、10時間程度かける経営者が30%となっている。これらの時間を本業にかけたいという経営者も多いだろう。

また、経理業務のためにスタッフを雇うことと比較すると、コスト面でも大いにメリットがある。専門スタッフを雇うと時給だけでなく、交通費、労働時間によっては保険などの負担も発生する。経理入力代行サービスの場合、月額1万円程度でのサービスが多く、また、正確性に関しても経理未経験の経営者やスタッフに比べて、プロに記帳してもらうというメリットがある。

   経営者 自社スタッフ 経理入力代行サービス
時間 本業に使うべき時間をとられてしまう 経営者の時間は空くが、スタッフの教育の時間が発生 プロのスタッフに丸投げでOK
コスト コストはかからない 時給や交通費、保険などが発生 コストはかかるが、月額1万円程度で可能
正確性 経理未経験の場合、正確性に問題あり 経理未経験の場合、正確性に問題あり プロのスタッフなので、正確性は高い

代表的な経理入力代行サービス

ここでは、代表的な経理入力代行サービスを紹介する。

メリービズ
レシート・領収書を送るだけで、1週間以内に経理データを届けるサービスを提供。一般企業だけでなく、税理士法人や会計事務所といったプロの記帳代行を行っているのが特徴である。料金プランもスタンダードで月額9,980円とリーズナブルであり、トライアルプランも用意されている。

マルナゲ
こちらも、レシート・領収書を送って記帳してもらうサービスであるが、Webサービスで計算結果や不足書類の確認ができるのが特徴である。プランは2種類の基本プランにオプションプランをつける形になっている。

経理支援ドットジェイピー
LIXILグループが展開する記帳代行サービスである。初期設定料金2万円、月額8,000円にオプションが用意されている。サービス内容はわかりやすく記載されているが、やや高めの料金プランとなっている。

他にも提供会社はあるので、比較してみるとよいだろう。

今回は、経理業務と記帳代行サービスについて紹介した。業務内容やお金の流れを知るために、最初は経営者自ら業務を行うこともよいが、本業に集中するタイミングで今回紹介したサービスを活用するとよいだろう。

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若林和哉

ライター: 若林和哉

株式会社パートナー経営企画・代表取締役。飲食店の勤務経験や中小企業診断士の資格を生かして、事業計画作成や資金調達の支援、フランチャイズ関連のWebページの執筆やセミナー講師などを務める。好きなお店は、ラーメン・カフェ・日本酒のおいしい居酒屋など。https://パートナー経営企画.com/