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わずか13坪で月商1,850万円を誇る『鉄板神社』。2倍のスタッフ数で臨む「攻めの商売」の秘密

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わずか24席で月商1,850万円を誇る『鉄板神社』

飲食店経営において、営業利益を上げるための戦略として人件費を削る店は少なくない。むしろ、昨今の飲食業界は、いかに「人を少なく配置して売上を上げるか」という“引き算”の経営戦略を取る店がほとんどだ。

こうした時代の風潮と逆行する営業スタイルで人気を博しているのが、大阪にある『鉄板神社』だ。『鉄板神社』は、人を減らすのではなく人をより多く投入することで驚異的な売上をたたき出す。13坪、わずか24席で月商はなんと1,850万円。なぜ、この数字が実現するのか、『鉄板神社』を運営する株式会社寿幸の代表取締役・田中寿幸氏に話を聞いた。

お話を伺った田中寿幸氏

『鉄板神社』の繁盛を支えるのは、リピート率の高さ!

宗右衛門町にある本店に加え、難波や道頓堀などに店を構える『鉄板神社』。看板メニューは大阪の「くわ焼き」をもとに独自にアレンジした串焼き。客単価は4,000円ほどと一般的な金額ながら、わずか24席の本店は月商最大1,850万円、50席の難波店の売り上げは2,000~2,500万円にのぼるという。

客層も近隣のビジネスマンからOL、そしてホステスまでと幅広い。また、客の入りもピークの時間帯はあれど、オープンから閉店の翌8時まで途切れることがない。さらに『鉄板神社』がすごいのが、客のリピート率がかなり高い点だ。なかには週に3回、4回と来店するコアなファンもいる。

田中氏にその秘訣を聞くと、「人、接客、料理です」とシンプルな答えが返ってきた。一つひとつ、その秘訣について詳しく聞いていこう。

『鉄板神社』の魅力は“人”にある

料理ではなく「人」のファンになってもらうことが大切

一度来店した客がまた足を運んでくれる店になることは、飲食店経営において非常に重要なポイントだ。なぜ『鉄板神社』はリピーターを確実に獲得できているのだろうか。田中氏にその理由を聞くと次のような答えが返ってきた。

「料理が美味しくて安い店はほかにもたくさんありますが、いくら安くて美味しい店でも、高いリピート率を確保し続けることはできません。モノを売る前に人を売る。『お兄ちゃん、また来るわ!』とお客様に言っていただける接客ができているかどうかが一番大切なんです」

料理はもちろんのことサービススタッフの人柄に惚れてもらうためには、一人ひとりの客と、きめ細やかなコミュニケーションをとることが大切だ。そのために『鉄板神社』では「客3人に対してスタッフ1人」をひとつの基準として人員配置をしている。例えば席数50席の難波店の場合、配置するスタッフの数は15人程度。同業態の人員体制と比較すると2~3倍は手厚くスタッフを配置していることになる。

スタッフ数が多いと当然料理の提供スピードも早くなり、回転率は上がる。また、客に対してのサービスもきめ細やかになり顧客満足度も高まる。さらに、スタッフと客との間に良質なコミュニケーションが生まれ、結果的にリピート率の驚異的な高さを叩き出しているのだ。これが『鉄板神社』を繁盛店たらしめる大きな戦略だといえるだろう。

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オナイウイコ

ライター: オナイウイコ

農業ビジネス系の立ち上げや産地と飲食店を結ぶ仕事を経てデザイン事務所に転職。現在は独立し活動飲食店などの取材記事を雑誌媒体で執筆中。「食」にまつわる動向や法律関連にも詳しく、プライベートでも旅行先でのグルメめぐりは欠かさない。