飲食店で働くプロに捧ぐ映画8選。名作から「料理人の心得」「食の在り方」を学ぶ

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「食」は私たちの暮らしになくてはならない存在だ。だからこそ…なのか、食をテーマにした映画は古今東西たくさんある。娯楽性に富んだものから心温まるストーリーのものまで、幅広い作品が世の中にはあるが、なかには食を生業にしているプロにとっても参考になる作品も少なくない。ここではそうした作品の中から、サービスへの考え方、メニューに対する考え方が学べる作品を紹介。そこから何を読み解くのか、どう仕事に生かすのかはあなた次第。時間のあるときにぜひチェックしてほしい。
世界のトップレストランの「裏側」を知る映画
『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た』
デンマークにあるレストラン『ノーマ』は、イギリスの雑誌『レストラン』で世界トップレストランとして何度も世界一の称号を獲得した超有名レストランだ。本作品は、『ノーマ』を率いる天才シェフ、レネ・レゼピと77名のスタッフが日本に来日、『ノーマ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京』を期間限定で開店するまでの日々を記録したドキュメンタリー。
「日本の食材を使う」というこだわりのもと、レネ・レゼピとスタッフたちが作り出す料理は、日本人である私たちも気づかなかった魅力に溢れている。『ノーマ』を世界一たらしめた、食への姿勢からも学ぶところが多い。レネ・ゼネピのことをもっと知りたいなら、彼の半生を記録した映画『ノーマ、世界を変える料理』も併せてチェックしてみよう。

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将来独立を目指す料理人におすすめの映画
『大統領の料理人』
100年以上の歴史を誇るフランス大統領官邸の中で、女性として初めてシェフに就任した料理人を描いた作品。フランスの家庭料理も数多く登場し、料理人なら目が離せないシーンばかり。美しい盛り付けにも注目したい。食べる人のことを本当に考えた料理とは? そんな根源的なことを考えさせられる作品だ。
『グレースのために』
シェフとして自分の店を持つためには、料理だけでなく店全体のコンセプトから雰囲気、価格設定までをプロデュースできる力が求められる。ドキュメンタリー映画『グレースのために』は若き一流シェフ、カーティス・ダフィが、自分のレストラン『グレース』をシカゴでオープンさせるまでの苦労と葛藤を描いた作品。料理の登場シーンはそれほど多くないが、これから独立を目指す人なら是非見ておきたい内容だ。ちなみに『グレース』は、のちに三ツ星を獲得。名実ともに有名レストランになっている。
『二ツ星の料理人』
ブラッドリー・クーパーが主演を務める同作品は、天才肌で周囲とトラブルばかり起こしていた料理人アダムが、ミシュランで三ツ星を獲得するために奮闘するストーリーだ。アダムは、かつては酒とドラッグに溺れ、借金もあるワケありシェフ。世界一のレストランを目指して仲間を集め、起死回生を図る。とはいえ、一筋縄で仲間や世間から認めてもらえるわけではなく、過去のやんちゃの代償とも言える数々のトラブルに見舞われる。料理も店づくりも、そして人生も、「本当の最高」は一人ではなく仲間とともに作り上げるということを痛感させられる映画だ。
