坪月商66万円を誇る『炭火焼肉ホルモン 三四郎』。1年で売上を倍増させた驚きの戦略
「牛タン全盛り」1,890円
経営を通して、従業員を幸せにする
『三四郎』は12時から翌3時までという長時間営業だが、シフトは2交代制で、従業員は月8日休める。下原さんは従業員の働きやすさや、職場の人間関係にも気を使っているという。
「飲食店は美味しさもさることながら、“人が大切”だと勉強していく中で気づきました。イヤイヤ働いていると、それはお客様にも伝わります。僕もたまたま入った店で、オーナーが従業員を怒鳴りつけたりしていると、もう行きたくないなと思うんです。店の人間関係が悪いと売上が伸び悩むし、反対に関係が良くなると、メニューを変えたわけでもないのに売上が伸びたりします。ですから常に感謝を持って、従業員が気持ちよく働けるような環境を作りたいんです。西荻窪店でランチ営業を始めたのは、スタッフのためでもあります。忙しい夜営業では、じっくりと教える暇もありません。昼も店を開けることで、新人に肉を切る経験を積んでもらおうと思ったのです」
カットの仕方を教える西荻窪店の店長
『三四郎』では「包丁が使えるだけ」という飲食店未経験者でも最短3か月で店長になれるカリキュラムがある。将来的にはのれん分けや、海外勤務を目指すことも可能だ。
「従業員にはそれぞれ夢や目標があるので、それを応援していきたいです。今いるバイトのうち3人が、4月から就職したいと言ってくれています。新卒であえてうちに来てくれるので、彼らが中心になって、飲食業界の悪いイメージを払拭するような、新しいモデルの業態を作ってもらいたいと考えているんです。仕事はやりたい人にやってもらう方が、一番能力を発揮できると思うので。それに、『海外で働きたい』と言ってくれる子もいます。彼らにチャンスを与えて、夢を叶える場所にしたいです。スタッフを幸せにできないようでは、世界中の人たちを幸せにできません」
人手不足が叫ばれる飲食業界にあって、離職者も極めて少なく、経営計画発表会では「三四郎はいつ見てもメンバーが変わっていない。逆に増えている。それってすごいことだね」と言われるそうだ。
『三四郎』を支えるメンバーたち
繁盛店を作る秘訣
現在3店舗を手がけ、来年新店をオープンする下原さんに、繁盛店を作る秘訣を聞いた。
「『何のために繁盛店を作るのか』という目的がすごく大事です。『お金のため』というのも大切だけど、それだけだと上手くいきません。結局、人のためじゃないと物事は上手くいかないんだって気がついたんですよ。僕は大学まで相撲をやっていて、高校生のときには監督の家に泊まり込んで稽古をしていました。スポーツでも何でも、自分のためにやるのは限界があり、ある程度のところで妥協してしまいます。でも支えてくれる人や一緒に頑張る同志がいれば、『あの人のために、諦めたくない』『応援してくれる気持ちに応えたい』って気持ちが湧いてくるんです」
相撲の恩師は、下原さんに家族のように温かく接し、「周囲の人に感謝の気持ちを持つこと」を根気強く教えたそうだ。そんな下原さんが焼肉店を経営しようと思った理由は何だろうか。
「焼肉の持つ力で、多くの人を笑顔にしたいと思ったんです。お祝いのとき、焼肉は必ず選択肢に上がりますよね。焼肉店で働きながら、『焼肉には人を笑顔にし、元気にする力がある』と感じたんです。その焼肉文化を世界に広げていったら喜んでくれる人がいっぱいいるんじゃないかと思っています。僕らが大きくなれば、仕入れの業者さんの売上もアップするし、地域の人も『あそこはいつもにぎわっている。あの店ができてよかったね』と喜んでくれます。売り手よし、買い手よし、地域よしの三方良しの経営が、まわりまわって自分のためになるんです」
小さな繁盛店から世界で愛される店へ。“ヤキニク”で世界中の人を笑顔にするための下原さんの挑戦はまだ始まったばかり。彼の顔は、仲間とともに同じ夢に向かって歩むことの楽しさや希望にあふれていた。
周囲には競合店が多いものの抜群の集客を誇る
『炭火焼肉ホルモン 三四郎 西荻窪店』
住所/東京都杉並区西荻南3-8-9 畠中ビル 1F
電話番号/050-5594-5679
営業時間/12:00~翌3:00
定休日/なし
席数/17





