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兄弟、二人三脚で歩む繁盛店『しんの輔』。激戦区・阿佐ヶ谷でも「串揚げ」を武器に躍進

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人気の串揚げ¥55~¥250(税抜)。ビールはもちろん、サワーなどとも相性抜群

他店との差別化を図るため「串揚げ」をメインに

『しんの輔』のメニューの“売り”といえば串揚げだ。なぜ串揚げを主役に据えたのか、その理由を聞いた。

「阿佐ヶ谷には焼き鳥屋がたくさんあります。この街は一人で飲むお客様が多いため、“焼き鳥以外で一人でも楽しめる料理は何か?”と考えたのです。その結果、メインメニューとして“串揚げ”を思いついたんです。串揚げをメインに、刺身などの海鮮もの、そしてお腹にたまるピザなども用意しています。もちろん、楽コーポレーションで覚えた定番メニューなどもありますよ」

店舗移転で客席は倍以上に

1年前に現在の場所へ移転した『しんの輔』。移転の理由を聞くと……。

「移転の理由は、ビルの老朽化で立ち退きにあったからです。今の店舗は以前に比べると倍以上の広さがあるのですが、思い切ってここに決めました。結果、客席は16席から38席に増加。その分、お客様との距離感が以前に比べると遠くなってしまったので、そこをもう少し縮めることができればいいなと思っています」

立ち退きがなければ以前の店舗の場所で営業していたという。飄々とした物腰の戸田さんだが、お客との距離感が少し変わったことは懸念があるようだ。

移転した場合や店を改築した場合、店側と客側にちょっとした違和感が生じることは必ずあるだろう。店側はレイアウトが変わることで、調理場の位置や接客スペースが変わるため、それに慣れるまで時間を要する。客側は「今度のお店の方がいい!」という人がいると思えば「前の方が自分の好みだった」という人もいて、個人によって受け取り方も変わる。店側と客側の双方が新しい店舗に馴染んだ時、はじめて両者にとって心地良い空間となるのだろう。

盛り付けがダイナミックな、薬味サラダ¥450(税抜)

『しんの輔』を支える弟の存在

新しい店舗に移転してから、今年2月で一年を迎えることになる。多店舗展開も考えているが、まずは『しんの輔』を阿佐ヶ谷の地に馴染ませることが先決のようだ。

現在、従業員は戸田さんを含めて6人。その中には戸田さんの9歳年下の弟、戸田耕平さんがいる。開店当時から戸田さんの右腕となり店内を切り盛りしている。言葉に出さずともわかり合える、兄弟のコンビネーションは見ていても絶妙のようだ。血の通ったもの同士が醸し出す、本物のアットホームな雰囲気に客は引きつけられるのだろう。中央線沿線の居酒屋に、阿佐ヶ谷姉妹ならぬ「阿佐ヶ谷兄弟」あり。戸田兄弟による『しんの輔』のさらなる展開に期待したい。

『しんの輔』
住所/東京都杉並区阿佐ヶ谷南3-34-9 フォレストワン1F
電話番号/03-5335-7550
営業時間/17:30〜24:00(L.O.23:30)
定休日/月曜
席数/38

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東海林ミノル

ライター: 東海林ミノル

1973年静岡県生まれ。印刷会社の営業からコピーライターに。広告制作会社勤務を経て、現在は執筆/編集に軸足をシフトしている。15年程前から中央線沿線在住。趣味は食べ歩き、料理など。特技は知り合いと偶然、町で出会うこと。