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進む飲食店の禁煙化、『デニーズ』も全面禁煙へ。改正健康増進法を改めておさらい

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画像素材:PIXTA

ファミリーレストランチェーンの『デニーズ』が、全店舗で全面禁煙を実施することを発表。2020年3月末までに対応を完了させる計画だ。

今、飲食業界で禁煙化の動きが加速している。その大きな要因となっているのが来年4月に施行される「改正健康増進法」だが、当初案から少しずつ変化しているので、ここで改めておさらいしておこう。

『デニーズ』が全面禁煙に! 喫煙席はクリーニングと改装を実施

これまで『デニーズ』では、店内に喫煙専用室を設ける対応を進めていた。しかし、ここへきて計画を変更。喫煙専用室は設けず、一部分煙にしている店舗では喫煙席のクリーニングや改装を実施。2020年3月末までに全店舗を全面禁煙にすると決めた。

理由については、「2016年からのドリンクバー導入に伴い、ファミリー層のお客様のご利用が増加しており、従来以上にお食事の際の禁煙に対する意識が高まっております。直近ですでに全面禁煙を実施した店舗ではご好評をいただいております」(セブン&アイ・フ-ドシステムズ発表のプレスリリース)としている。

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「改正健康増進法」をおさらい

2020年4月、改正健康増進法が施行される。今一度、その内容をおさらいしておこう。

■2020年4月1日以降の新規店・客席面積100㎡超・資本金5,000万円超のいずれかに該当する店舗
・喫煙専用室を設置することができる。ただし、喫煙専用室内では飲食不可
・加熱式たばこ専用喫煙室を設置することができる。加熱式たばこ専用喫煙室内でも飲食可能
・加熱式たばこ専用喫煙フロアを設置することができる。加熱式たばこ専用喫煙フロアでも飲食可能

■既存店舗かつ客席面積100㎡以下かつ資本金5,000万円以下の店舗
・経過措置として、現在の喫煙ルールを継続することができる

■喫煙を主目的とするバーやスナックなど
・現在の喫煙ルールを継続することができる

なお、喫煙可能箇所においては、それを示す標識の掲示が義務づけられ、客・従業員のいずれも、20歳未満の方は立ち入ることはできない。

喫煙環境の店頭表示が義務化

飲食店では9月1日から、店内における喫煙・禁煙状況の店頭掲示が義務づけられる。2020年4月の新制度開始前の期間については、禁煙か喫煙場所があるかなど、その時点での状況を掲示する必要がある。

東京都では、事業者向けに標識デザインを作成。「禁煙」「喫煙専用室あり」「加熱式たばこ専用喫煙室あり」など、全16種類。下記URLからダウンロードすればすぐに使うことができる。また、同デザインを用いたシール式標識も用意している。

■東京都福祉保健局
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/kitsuen/leaflet/hyoshiki.html

東京都福祉保健局が配布している標識

東京都の飲食店は店舗の規模に関係なく原則禁煙

2020年4月に全面施行される東京都受動喫煙防止条例は、改正健康増進法よりもさらに厳しい。従業員を雇っている飲食店は、店舗の面積にかかわらず原則禁煙。違反した場合は5万円以下の罰金が科される。

『ガスト』『ジョナサン』『サイゼリヤ』など、大手飲食チェーンでは、条例の施行に先駆け、全面禁煙への対応を進めている。飲食店がまずやらなくてはならないのは、喫煙・禁煙状況の店頭掲示。今後、条例や法律に違反した場合は処分の対象となる。内容をよく理解した上で、早急に自店に適した対応を行いたい。

■参考
JT「改正健康増進法について」

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。