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飲食店が外国人を集客するときの極意。「情報発信」と「おもてなし」が大切な鍵に

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画像素材:PIXTA

国内の外国人観光客が増加している。2019年9月にはラグビーワールドカップがスタート、2020年には東京オリンピックの開催も控えており、今後も増加していくことが予想されている。

増え続ける外国人観光客をどのような方法で集客すればいいか? その具体的な方法を、外国人向け飲食店予約サービス「JPNEAZY(ジャパニージー)」を運営する株式会社Fesbaseの代表取締役・金田雅人さんに話を伺いながら紹介していく。

外国人観光客は年々増加。集客しなくては損!?

株式会社Fesbaseが運営する「JPNEAZY」は、外国人観光客専門の飲食店予約サービス。外国人観光客が行きたい飲食店を代わりに予約してくれる、コンシェルジュのような役割を担っている。また、店の情報を英語で問い合わせができるチャットサービスなどもあり、多くの外国人観光客が利用しているという。まずは、最近の外国人観光客の実情について聞いた。

「ラグビーワールドカップの影響もあってか、外国人観光客はますます増えています。JPNEAZYの利用者から見てみると、英語圏、特にアメリカの方が多く、その次にオーストラリア、シンガポール、香港と続きます。外国人観光客全体の状況を考えると、中国の方が増えていて、英語圏の方たち同様に客単価が高い印象があります。

一方で、台湾や韓国の方も増えていますが、リピーターが多いためか、飲食店で使う単価も5,000円ほどと、前者に比べるとやや低い傾向があります。ラーメンやとんかつ、居酒屋などのリーズナブルで美味しいものを食べに行かれる傾向が強いのかなと感じます」

株式会社Fesbaseの代表取締役・金田雅人さん

多くの外国人が日本に訪れるようになっただけでなく、その国籍や年齢によって店の選択肢が変わるため、幅広い飲食店が外国人にとって“行きたいお店”の対象となってきている。それでも、飲食店の中には“うちは日本人のお客様だけで十分”“外国人のお客様の受け入れに積極的になれない”と考える店舗もあるだろう。しかし、「それではもったいない」と金田さん。

「たとえば日本人は年末年始にお金を使うので、1月後半から2月は出費が落ち着く傾向にあります。ところが中国や台湾では旧正月の時期なので、ちょうど旅行シーズン。飲食店にとっては閑散期だと言われる時期でも、集客するターゲットを外国人観光客にまで広げれば、売上のカバーにつなげられる可能性もあります」

「ニッパチ」とも呼ばれ、2月と8月は基本的に売上が下がるといわれる時期。しかし、外国人からしてみればちょうど長期休暇や観光シーズンにあたり、逆に日本に訪れやすいタイミングとなっているのだ。

さらに、昨今の飲食事情を鑑みても、外国人観光客を集客することは重要であるという。

「昔は高級店などでは、お客様が帰り際に『また一か月後に来るね』と次の予約をしてくれて、リピーターでほとんどの席を埋めていた店もありました。ただ、近年は接待も少なくなってきて、こうしたやり方が難しくなってきています。誰もが知っている名店でもそのような状況に陥ることが考えられる時代ですから、国内のプロモーションだけに頼らず、外国人のお客様にもアピールし、集客の幅を広げていくことが大切だと感じています」

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。