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飲食店が外国人を集客するときの極意。「情報発信」と「おもてなし」が大切な鍵に

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画像素材:PIXTA

外国人から人気が高い店は? 日本ならではのおもてなしが効く

外国人から人気の高い店には、どんな特徴があるのだろうか。金田さんに聞くと「断トツでカウンター席がある店ですね」とのこと。

「外国人のお客様にとって、飲食店での食事は日本文化を楽しむアクティビティでもあります。カウンター席で調理する姿を見ながら食べるというのは、じつは日本特有の文化なんです。“板前寿司”というくらいですから。料理人が作っているところを目の前で見て、片言でもいいのでコミュニケーションを楽しみながら食べたいというのが、一番多いご要望です。これは和食だけでなく、フレンチやイタリアンなどの洋食のお店でも、同じことが言えます」

もちろん、カウンターがないからといって人気が出ないということはない。カウンター席で味わえるような、日本らしい“おもてなし体験”が外国人に人気が高いということだ。そこで、金田さんが特に面白いと思った、外国人から高評価の飲食店の演出をいくつか教えてもらった。

■米の炊き方の違いを楽しんでもらう
固め、ふっくら、おこげつきなど、ご飯の炊き方を複数用意し、違いを味わってもらうサービス。お米は日本人にとっては日常食だが、外国のお客様にとっては日本食の代表格の一つ。シンプルに食べてもらうのも良いが、バリエーション豊かに提供することで、ますます日本食の魅力を知ってもらえるうえに、お客様の思い出にも残りやすいだろう。

■個別に英語のメニュー表を作る
お客様の名前とその日のコース料理を英語で記入したメニュー表をプレゼント。一組ずつ作成するのは大変だが、外国人のお客様としては料理がわかりやすいだけでなく、持ち帰れるので思い出にもなり、評価が高いサービスとなっているそうだ。

■寿司ネタカードを作る
50種類ほどある寿司ネタの写真と名前、どんな魚かを英語で書いたカードを作成し、提供時に渡す。寿司ネタについて理解が深まるほか、リピート注文の際もカードを見せれば良いので、やり取りがスムーズに。カード集めを楽しむお客様も多いとのこと。もちろん寿司屋でなくても、自店のドリンクメニューやフードメニューなどをカードで作るなど、応用してみるのもおすすめだ。

ほかにも、たとえば料理の仕上げを目の前で行う、料理について書いてある英語の本を見せながら説明するなど、できることからおもてなしを始めることが大切といえる。

さらに、こうしたおもてなしは外国人のお客様だけでなく、日本人のお客様にも有効だ。「外国人のお客様のため」と気負うのではなく、来店してくれるすべてのお客様をもてなす気持ちでサービスを検討してみるといいだろう。

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自店のホームページやSNSで海外にも伝わる発信を

では、実際に外国人のお客様に来てもらうには、何から始めればいいのだろうか。飲食店が今、できることを金田さんに教えてもらった。

「外国人のお客様の多くは、事前に飲食店の情報を調べていらっしゃる方が多いです。だからこそ、事前に自分たちの情報を発信しておくことが重要になるのではないでしょうか。自店のホームページやSNSアカウントを作る、Googleプレイスに登録するなど、知ってもらう機会を増やすことが大切です」

たとえばインスタグラムやFacebookなどのSNS、登録するだけで自店の位置情報をGoogleマップや検索結果に表示できるGoogleプレイスはどれも無料で始められる。英語が書けなくても、自動翻訳を使って最低限のことを発信するのはそれほど難しくはないだろう。

「欧米の方はインスタグラムをよく活用している印象です。写真一枚を見て、ふらっと来店される方も少なくありません。一方でアジアの方は衝動的に来店するというよりは、Facebookやトリップアドバイザーなど色々な情報を事前に調べてこられる方が多いですね。中国の方であれば大衆点評、日本で言う食べログのようなサイトですが、これがよく見られています。広告費がかかるものもありますが、無料でできるものも多いので、活用してみてはいかがでしょうか」

こうした発信は知ってもらう機会を増やすだけでなく、業務効率化につなげることも可能だ。

「外国語で電話がかかってきても、うまく対応できずにストレスになることもありますよね。SNSやホームページで予約をできるようにしておくと、電話がかかってきても、『とりあえずホームページを見てください』と伝えるだけで済みます。JPNEAZYのような予約代行サービスと連携するのもおすすめです。事前決済サービスもあるので、予約キャンセルの不安も解消できます。飲食店の皆様は、やはり料理や当日のおもてなしに専念したいはず。だからこそ、Webを活用して予約などの業務を効率化しておくと良いのではないのかと思います」

ますます増加すると予想されている外国人観光客は、現在集客に悩む飲食店の救世主となる可能性を大いに秘めている。これまでは「うちは対応しなくてもいい」と考えていた店も、今一度、外国人のお客様を呼び込むことをぜひ、検討してみてほしい。

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。