飲食店ドットコムのサービス

2020年4月から飲食店で原則禁煙。店側の認知や対応はどのくらい進んでいるのか

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

画像素材:PIXTA

これまで段階的に施行されてきた「改正健康増進法」が、2020年4月からいよいよ全面施行。学校や病院・行政機関といった公共の場だけでなく、ホテルやレストラン・居酒屋など飲食の場も原則“屋内は禁煙”となる。

ただし、飲食店の規模や形態によって適用される内容に違いがあるほか、分煙のパターンごとに細かいルールが存在。また経過措置として、客席面積100平米以下かつ資本金5,000万円以下の既存店舗は現行の喫煙ルールを継続することができるが、東京都の場合は、同時に全面施行する「東京都受動喫煙防止条例」により、さらに厳しい環境になる。というのも都は“従業員の受動喫煙防止”という観点に立つためで、店が従業員を一人でも雇っていたら、客席面積などに関わらず原則屋内禁煙にしなくてはならないのだ。

来春から始まる規制について、飲食店ではどのくらい認知され、対応が進んでいるのだろうか。また、規制に対してどう思っているのか。首都圏に拠点を置く飲食店経営者・運営者を対象にアンケート調査を行ったので、紹介したい。

【注目記事】4月から飲食店は「原則禁煙」に。改正健康増進法を再チェックして違反を防ごう!

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:503名
調査期間:2019年11月21日~11月27日
調査方法:インターネット調査

■「全席喫煙」の飲食店は48.5%

「全席喫煙」の店舗は48.5%

■95%以上が「知っている」「聞いたことがある」と回答

健康増進法の改正により一定の場所以外で喫煙が禁止されることについては、営業に直結するためか「知っている」店舗が多い

来春から、一定の場所での喫煙禁止が義務化されることについて「知っている」「詳しくは知らないが、聞いたことはある」と答えた店は全体の95.6%。営業に直結する内容のためか、さすがに関心は高い。

■細則になると「知っている」は激減。ややこしさゆえ、把握が困難?

資本金や客席面積によって規制対象が決まることを「知っている」のは62.2%

喫煙専用室内では「飲食不可」となる。69%の店舗は「知っている」もしくは「聞いたことはある」状況

加熱式たばこ専用室内では「飲食可能」になる。これについてはあまり認知されていないようだ

規制となる対象は、東京都など一部エリアによって異なることを「知っている」のは40.6%

続いて、細目内容の認知についても聞いてみた。

改正健康増進法で“屋内原則禁煙”の対象となるのは、2020年4月1日以降にオープンする新規店/資本金5,000万円超/客席面積100平米超のいずれかを満たす店舗(喫煙を主目的とするバー・スナック等は除外)。なお、対象であっても喫煙専用室(飲食不可)の設置は認められており、なかでも加熱式タバコ専用室を設置するのであれば、そこでの飲食は可能だ。

これらについてきちんと「知っている」と回答した割合は、資本金などの対象条件に関しては62.2%だったものの、質問が具体的な分煙パターンに及ぶにつれて3割前後にまで低下。制度のややこしさゆえ、具体的な把握にまで至っていない状況がうかがえる。

■対策については過半数が「特に行動はしていない」

対策については過半数の52.1%が「特に行動はしていない」と回答

では、対策の進み具合はどうか。

何か講じたかについて聞いた質問では、過半数の52.1%が「特に行動はしていない」と回答。

分煙意向のある飲食店は全体の25%近くにのぼるが、そのうち「分煙環境を検討し、今後対応予定である」と見通しが立っている割合が10.5%なのに対し、「分煙環境を検討したが、具体的な行動には至っていない」割合は14.1%。実際に「分煙環境を整備した」店は4%にとどまっている。

一方、「禁煙にした・予定である」は19.3%と2割近くを占める。飲食店にとって、分煙環境の整備はハードルが高いことがうかがえる。

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

『飲食店ドットコム ジャーナル』は飲食店ドットコムが運営する“食”に関するWEBマガジンです。飲食業界の最新ニュースをはじめ、食にまつわる役立つ情報や、実際に働く方々の声を読者に届けていきます。