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西荻窪の色気ある酒場『Spice飯店』。ワンオペで得た「自由」を武器に繁盛店に

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『Spice飯店』のオーナーシェフ、岡本大佑さん

西荻窪駅南口からのびる「乙女ロード」(通称)には、カフェやケーキ屋、雑貨屋など、落ち着いていて、洒落た店が点在する。しかもどの店も小規模。ひとり客でも入っていきやすそうな店が多い。

そんな乙女ロードに2019年2月、『Spice飯店』がオープンした。カウンター5席、4人がけのテーブルと、2名用のスタンディングカウンターの、こぢんまりとした飲食店だ。オーナーシェフの岡本大佑さんがひとりで切り盛りしている。なぜワンオペ(ワンオペレーション)にしたのか、そのメリットや魅力などについて話を伺った。

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多種多様な店で働き、ワンオペに必要な経験値を積んだ

メニューを見ると「よだれ鴨」、「皿ワンタン」、「Spice飯店的干豆腐和え」などの中国料理名が並んでいる。ところが、出てくる料理は中国料理店のそれとは別物だった。岡本シェフは、芳しいスパイスをふんだんに使った料理を得意としている。

大学卒業後、短期間のサラリーマン生活を経て、ホテルのサービスマンを経験。白金高輪のイタリアンでコック兼サービスを1年弱。その後、吉祥寺の居酒屋で料理人を7年務めた。居酒屋の営業は夜だけだったことから、3年間、日中は小籠包屋(池袋)でコックのアルバイトを続けた。

「小籠包屋はベーシックな中国料理でした。ところが、厨房は中国人コックが多く、彼らが作る賄いに刺激を受けました。八角や陳皮、クミン、フェンネルなどの香辛料の使い勝手を中国人コックに教えてもらったり、食材の組み合わせを勉強させてもらいました」

味のある雰囲気の食器類

小籠包屋では賄いを作る機会こそなかったものの、吉祥寺の居酒屋でスパイスを用いた賄いを作った。その料理が好評だったそうだ。吉祥寺の居酒屋時代、カレーの食べ歩きをしたり、スパイスカレーを自作するなど、スパイスの使い方を独学でマスターしていった。

「ブラックペッパーのかわりにコリアンダーシードを使うなど、いろいろ試してみました。スパイスを使うと同じ料理でもまったく別の表情になります。それが面白くてスパイスにハマっていきました(笑)」

その後、独立を考え、代々木上原の『酒坊主』と、学芸大学の『レインカラー』でそれぞれ半年間研さんを積んだ。「うちの店は、『酒坊主』と『レインカラー』での経験が色濃く出ていると思います」と岡本シェフは言う。『酒坊主』はスパイスを多用した独創的な料理を得意としているだけでなく、日本酒のラインナップや熱燗などの提供の仕方を学んだ。

「自分自身、熱燗やナチュラルワインが好きなので、独立したら日本酒やナチュラルワインを扱おうと思っていました。ただ知識が足りなかったので、独立前の準備期間中、『酒坊主』と『レインカラー』で勉強させていただくことにしました」

入口脇の冷蔵庫にはクラフトビールやワインなどが入っている

イタリアンや居酒屋、小籠包屋の厨房に入ったり、カレーの食べ歩きをしたり、スパイスを独学してきた。10年ほどの下積み期間中、さまざまなジャンルの料理を作ってきただけでなく、舌や脳のひだに刻まれたスパイスの特性や使い方が、岡本シェフの血と肉になっているといっても過言ではない。

「岡本飯店では面白くないし……。スパイスという言葉の響きも好きだったので、『Spice飯店』と命名しました」

では、なぜワンオペを選んだのか。

「修業した店はワンオペではありませんした。でも、独立するなら、ワンオペにしようと決めていました」

岡本シェフはホテルのサービスマンや、イタリアンではホールも担当している。料理だけでなく、接客も経験してきたからこそワンオペというスタイルを選択ができた。

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中島茂信

About 中島茂信

CM制作会社を経てライターに。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』『101本の万年筆』『瞳さんと』『一流シェフの味を10分で作る!男の料理』『自家菜園のあるレストラン』。『笠原将弘のおやつまみ』の企画編集を担当。「dancyu web」や「ヒトサラ」、「macaroni」などで執筆中。