「トリキの錬金術」問題を受け、Go Toイートから少額飲食が対象外に
居酒屋チェーンの『鳥貴族』で、1品のみを注文して「Go Toイート」のポイントを荒稼ぎする人が続出。これを問題視した政府は、少額飲食をキャンペーンの対象外とすることを発表した。
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1品のみの注文でポイント稼ぎをする行為が相次ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大で売上減少などの影響を受けている飲食店を支援する「Go Toイート」が10月1日よりスタートした。キャンペーン内容は、プレミアム食事券の発行と、消費者へのポイント付与の2つ。後者はオンライン予約サイトを経由して飲食店を利用した場合、昼食時間帯は500円分のポイント、夕食時間帯は1,000円分のポイントが付与される。
今回被害を受けた『鳥貴族』はリーズナブルな価格設定で、1品298円(税込327円)のメニューが主力商品だ。「席のみの予約」で1品だけ注文し、支払額以上のポイントを受け取る迷惑行為が相次ぎ、SNS上では「トリキ(鳥貴族)の錬金術」と呼ばれ、大きな話題となっていた。
店側は予約サイトに送客手数料を支払う必要があり、こうした迷惑行為が続けば収益を圧迫する恐れがある。『鳥貴族』は、「Go Toイート」の対象から「席のみの予約」を除外。「お好きに選べる5品コース(1,635円)」、「お好きに選べる9品コース(2,943円)」、「トリキ晩餐会(3,278円)」の3つのコースをキャンペーンと対象とし、準備が整った店舗から順次変更するという。
付与ポイントを下回る飲食をキャンペーン対象外に
この問題を重く受け止めた農林水産省は10月8日、1,000円未満の夕食など、付与されるポイントを下回る飲食を「Go Toイート」のキャンペーン対象外にすることを発表。さらに、少額利用を抑制するため、飲食店側に席のみの予約に一定の金額要件を設ける、コース利用のみに限定するなどの対応をとるよう、オンライン予約サイトの事業者を通じて求めることを明らかにした。
キャンペーン開始から1週間でさっそく問題が発覚した「Go Toイート」。今後、参加飲食店には、付与ポイント未満の利用を抑制する手段をとることが求められるが、あくまで要請であり、対応しない場合の罰則はないという。