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大阪・福島の『ポルチーニ』が繁盛し続ける理由。「学び続けることで未来を切り開く」

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イタリア食堂『タヴェルナ・ポルチーニ』の店長・石井利明さん

JR大阪駅から大阪環状線でひと駅の福島は、街の再開発によってここ十数年で飲食店が増え、オシャレな雰囲気の中でリーズナブルに旨いものをいただける居酒屋やバル、ビストロなどがひしめくエリアとなった。

今となっては大阪のグルメ激戦区として知られる福島だが、そのパイオニア的存在と言っても過言ではないのが、2003年にオープンしたイタリア食堂『タヴェルナ・ポルチーニ』だ。近隣に複数の系列店もあり、それぞれファンから根強く支持され、コロナ禍でも宴会利用を除いた売上が昨年対比100%以上を誇る。

どんな状況でも繁盛し続ける理由を、運営元である株式会社ポルチーニの代表取締役・中谷信裕さんに伺った。

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路地裏のわずか数歩圏内に4店舗を展開

JR福島駅からなにわ筋を3分ほど歩き路地へ入ると、わずか数歩の圏内に株式会社ポルチーニが運営する4店舗が軒を連ねる。名物「塩フォカッチャ」をはじめとするこだわりパンが人気のパン屋『パネ・ポルチーニ』、自家製ハム&ソーセージの店『サルメリア・ポルチーニ』、フレッシュチーズを使った料理と自然派ワインの店『ラッテリア・ポルチーニ』、そして1番奥にあるのがイタリア食堂『タヴェルナ・ポルチーニ』だ。

カジュアルな雰囲気で、幅広い層が訪れる『タヴェルナ・ポルチーニ』

各店をしっかり差別化することで、相乗効果が生まれているという。こうした店舗展開について、「お客様の声に耳を傾けて、それを育ててきたことが今に繋がっています」と、代表取締役・中谷信裕さんは話す。

『タヴェルナ・ポルチーニ』は、福島がまだそれほど賑わっていなかった2003年、カジュアルなイタリア食堂をコンセプトにオープン。当時はイタリアンといえば1人7,000~8,000円の店がほとんどの中、1人3,500円ほどで旨い料理を楽しめることから注目を集め、たちまち予約の取れない店に。

常連客の「予約しづらい」という声から、2005年には予約を取らない店『バール・ポルチーニ』(2018年に『ラッテリア・ポルチーニ』へリニューアル)を構える。そこで焼きたてパンを提供したところ評判となり、「パン屋を作ってほしい」というお客の要望もあって『パネ・ポルチーニ』が誕生した。

その後も繁盛店ゆえに「来店したくても入れない」という声が続いた。そうした声に応えようと、『タヴェルナ・ポルチーニ』のスペースを広げ、2階に宴会場を作るなどの改装を行ったほか、2018年には『サルメリア・ポルチーニ』をオープンさせるなど事業を広げてきた。

また、2店舗目を出店してすぐにセントラルキッチンを設置。食材の一次加工を一括で行ってから各店舗の厨房へ振り分けるシステムを築いた。これにより厨房スタッフの負担が軽減され、完全週休2日制を敷くこともできた。結果、社員比率が高まり、それが上質な料理とサービスの提供にも繋がっている。

『ポルチーニ』の4店舗が立ち並ぶ路地裏

自家製のパン、ハム、チーズから生まれる可能性

『ポルチーニ』の各店が支持されるのは、生産者から直接仕入れる素材を使い、自社で手作りすることで生まれる上質な味にある。例えば、イタリア食堂『タヴェルナ・ポルチーニ』で使う魚介は、高知・宿毛から水揚げされて24時間以内に届けられる鮮度抜群のもの。そのほか、豚肉や牛肉、ジビエ、野菜など一つひとつの素材に生産者との繋がりがある。社員研修として産地を訪れる機会を設けるなど、そうした生産者との交流が料理、パン、ハム&ソーセージ、チーズなどあらゆるものを作るときに生かされているのだ。

また、自家製にこだわるのは、美味しさを追求するためだけではない。

「人口減少などあらゆる問題から、将来的に飲食店の運営だけでは経営が厳しくなるだろうと以前から考えていました。そんな中で会社の規模や従業員の雇用を維持していくためには、店内飲食だけに頼らずパンや食肉加工品といった商品に力を入れたり、通販をしたりと、事業を多角化する必要があると思ったんです」

食肉加工品は店内で提供するだけでなく、卸売りを行うことで販路を広げてきた。飲食店としての顔に加え、食品メーカーとしての側面を持ち合わせるようになったのだ。さらに、同社では従業員の独立支援に力を入れており、パン、ハム、チーズの味は独立したスタッフの手により各地に広げられるようになった。それが『ポルチーニ』の味を広く知らしめるきっかけにもなっている。

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松尾友喜

About 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。