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自由が丘『ニショク』に聞くコロナ禍の生存戦略。居酒屋へ業態転換した理由とは?

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『ニショク』を運営する株式会社コローリ代表の渡部武志氏

コロナ禍でリモートワークが進み、ビジネス街は人出が減少。大人数での宴会よりも少人数での外食やテイクアウト、デリバリー需要が高まった。このような世の中の流れをいち早く察知し、新たなスタートを切った飲食店がある。自由が丘で2020年9月にオープンした『ニショク』だ。

【注目記事】わずか10坪で月商650万円を誇る『食堂かど。』。異例の「三毛作営業」が功を奏す

WDI出身のシェフとソムリエが新たに手がける自由が丘の居酒屋

『ニショク』を運営するのは、外苑前のワインバル『+ebi-ro(エビイロ)』、池尻大橋のイタリアン『+ruli-ro(ルリイロ)』、外苑前のモツ酒場『kogane(コガネ)』などを展開する株式会社コローリ。共同代表でオーナーソムリエの渡部武志氏とオーナーシェフの山口高志氏はともに飲食企業のWDI出身者だ。

渡部氏は吉祥寺『プリミバチ』で勤務後、広尾のワインバー『インプリチト』、株式会社ひらまつの『アルジェントASO』、株式会社セレソンの『Trattoria Tanta Bocca』など複数店舗の立ち上げ、マネージャーを経験。山口氏は株式会社セレソン時代に、1店舗目の立ち上げからお店の運営に携わり、2008年北参道にある『Trattoria Tanta Bocca』の料理長に就任。その後当時の同僚である渡部氏とともに独立、2012年に外苑前にて肉の炭火焼や自然派ワインを中心にしたトラットリア『2colori(ドゥエ・コローリ)』をオープンさせた。

自由が丘駅南口から徒歩約3分、九品仏川緑道とマリ・クレール通りを抜けた場所に立地する『ニショク』

店名と社名に冠された「colori」はイタリア語で「色」という意味。共同創業者二人のカラーを大切にしたいという意味を込め、店名には2(イタリア語でドゥエ)をつけた。同店は瞬く間に人気を呼び、17坪29席の規模で月商700万円を叩き出す人気店となる。

しかしそんな繁盛店にもこの春、新型コロナウィルス感染症の魔の手が伸びた『2colori』は外苑前というビジネス客中心の立地というだけでなく、換気の難しい地下に位置していたのだ。渡部氏は語る。

「今年の3月ごろ、飲食店の経営を行う先輩方から、感染症の影響は長く続く可能性があるから、空中階や地下で飲食店をやっている場合は移転なども考えたほうがいいとアドバイスをもらって。『2colori』は建物自体が古かったこともあって春頃から物件を探し始めました」

先輩からのアドバイスに加え、系列店の池尻大橋『+ruli-ro』は3~5月もテイクアウトとデリバリーの注文が多く、売上をキープ。このことからも渡部氏は、住宅街に勝機があると感じていた。

1階奥はキッチン一体型のカウンター席で、入口付近が立ち飲みスペース

イートインとテイクアウト、立ち飲みと着席など“2色”を打ち出した店舗に

渡部氏自身の土地勘があったということから武蔵小山や祐天寺、中目黒など城南地区周辺で物件をリサーチし、8月にようやく自由が丘のこの物件に移転を決定。

「自由が丘の場合は住んでいる方もいれば、通勤している方もいるし、土日になれば周辺から遊びにやってくる方もいる。その分家賃も高いけれど勝負してみるのには面白い場所でした」

渡部氏は街のポテンシャルの高さをそう評価する。物件が決まってからは、2か月ほどかけて自由が丘周辺の飲食店を視察。どんな料理やお酒が自由が丘の人から求められているのか、見極めるためだ。

「僕らがやりたいことをお客さんに押し付けるだけでは、ほかのお店には勝てないと思って。その土地にいるお客さんが求めるような業態にしていきたいと考えたんです」

自由が丘に出店することになった当初から、業態転換が頭にあったという渡部氏。知り合いにおすすめの店を聞いては足を運び、またその店の人におすすめの店を聞いてまわるという形で多くの飲食店を訪ね歩いた。

2階はゆったりと食事が楽しめるテーブル席にして、上下階でも2色のカラーを打ち出す

店舗開業の挨拶まわりにもなったという飲食店巡りの結果、意外にも自由が丘には立ち飲み店がないことに気づく。そこで新店は立ち飲みスタイルも取り入れた大衆的な居酒屋と、テイクアウトの二毛作というコンセプトに行きついた。

1階はふらりと近所の人たちが立ち寄れるようなオープンスペースで、手前が立ち飲みエリア、奥のキッチンテーブルがカウンター席。2階は落ち着いて食事が楽しめるよう照明も落とし、ムーディーな飲み屋としての利用を見込んだ。ちなみに立ち飲みエリアではアルコール類が1杯につき200円引き。狙いは的中し、立ち飲みスペースは連日多くの人で賑わっている。

自由が丘には立ち飲み店のほか、自然派ワインを扱うお店が少ないことにも渡部氏は目をつけた。ソムリエならではの知見を生かし、質の高い自然派ワインを揃える福岡のヴァン・ナードや宇都宮の山仁などから仕入れ、常時60~70種類をラインナップ。グラス500円、ボトルは原価に抜栓料2,500円をプラスした値段で提供するという、ナチュール好きには垂涎のプライス設定だ。

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中森りほ

About 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。