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出前館、Uberら13社が業界団体「JaFDA」設立。配送トラブルなど背景に

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

コロナ禍でデリバリーサービスを導入する飲食店が急増する一方、配達員による交通トラブルをはじめ、さまざまな問題が顕在化している。そんな中、「Uber Eats Japan(ウーバーイーツジャパン)」や「出前館」などのフードデリバリーサービスを手掛ける13社が、一般社団法人日本フードデリバリーサービス協会(以下JaFDA、所在地:東京都渋谷区、代表理事:末松広行)を設立、話題を集めている。

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コロナ禍でフードデリバリー市場が急成長

新型コロナウイルスの感染拡大によって、急激に伸長したフードデリバリー市場。中食需要が高まったことでフードデリバリーサービスの認知度が上がり、JaFDAの会員各社では、サービスを導入する飲食店、利用する一般ユーザー、配達するパートナーが大幅に増加してきた。

さらに、実店舗としての機能を持たず、デリバリーサービスに特化した「ゴーストレストラン」や「クラウドキッチン」と呼ばれる飲食店も登場。新型コロナウイルスの影響が長期化する中、中食需要を狙った新たな業態として盛り上がりを見せている。

ところが、サービスの需要拡大に対して業界整備が行き届かず、配送におけるトラブルが増加。政府や自治体も、業界を取りまとめた団体との対話の必要性を指摘してきた。こうした背景から、今年2月にJaFDAが設立。業界全体で課題解決に取り組み、より一層、安心・安全にフードデリバリーサービスを利用できる環境を整備していくという。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

JaFDAの課題解決に向けた動きとは

JaFDAの設立により、これまでサービス提供会社がそれぞれで行ってきたトラブル対応を、業界全体で連携して行っていくことになる。具体的な施策については今後協議して検討していくことになるが、今のところ大きく3つの課題に取り組むとしている。

まず1つ目が、配達時における交通ルール違反や交通トラブルの削減。会員各社がこれまで取り組んできた施策などをもとに交通ルールを整備し、配達員の交通ルール順守の水準を高めていく。

2つ目は、配達時における加盟店や一般ユーザーとのトラブル削減と、食の安全・衛生管理を徹底していくこと。トラブルを防止するための有効な施策をはじめ、トラブルが発生したときの補償のあり方について、基本的な業界指針を定めていくことで、サービスを安心して利用できる環境を整備していく。

3つ目は、配達員と運営会社の適切な関係性の構築だ。フードデリバリーサービス業界には多様な雇用形態がある一方、その労働環境に課題もある。配達員が安心して働ける環境を整えることが重要だと捉えているようだ。

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松尾友喜

ライター: 松尾友喜

和歌山の地元情報誌の編集部でパンの特集や連載、商品開発を手掛けるなど、“パン好き編集者”として活動。2018年に独立し、フリーランスのライター・編集者として、パンをはじめ食関連、旅と街歩き、インタビューなど幅広い分野で取材・執筆している。