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飲食店が10月以降も活用できる「支援策」まとめ。国の補助金・助成金ほか、自治体の支援制度も

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画像素材:PIXTA

5月に新型コロナウイルスの感染症法上の取り扱いが「5類」へ移行されてから約5か月。社会はウィズコロナ、アフターコロナ時代に舵を切った。飲食店の売上も回復傾向にあるものの、いまだコロナ禍前の水準に戻っていないのが現状だ。

こうしたなか本記事では、2023年10月以降も申請可能な飲食店が使える支援策について、いくつかピックアップして紹介していく。

国による支援

■雇用調整助成金
雇用調整助成金(雇調金)は、事業主が従業員に支払う休業手当等の一部を助成する制度。新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置は2023年で終了し、通常制度へと移行した。通常制度の要件は以下の通り。

1.直近3か月の売上などが前年同期と比較して10%以上減少していること。比較可能な前年同期がない場合は助成対象とならない。
2.直近3か月の労働者数の平均が、前年同期に比べ5%を超えかつ6名以上(中小企業事業主の場合は10%を超えかつ4名以上)増加していないこと。
3.コロナ特例を利用した事業所が通常制度を申請する場合、最後の休業から1年以上経過していること。

通常制度では、一部の労働者を対象とした短時間休業も助成対象となる。

補助額:1人1日当たりの上限額:最大8,355円
助成率:最大2/3

▼雇用調整助成金

■外食産業事業成長支援補助金
農林水産省が開始した外食産業の事業成長に向けた前向きな取り組みなどを支援する制度。飲食店における売上拡大や収益増加を目的とした業態転換のほか、商品やサービスの内容・提供方法を変えるなど事業成長のための取り組みが補助対象となっている。

補助金の対象となる経費は、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、運搬費、広告宣伝・販売促進費、研修費のほか、事業を行うために必要なその他の経費や、事業の一部を第三者に委託するための費用。Web上の応募フォームより応募書類を提出する形式だ。

補助額:最大1,000万円
助成率:最大1/2
申請受付期間:第2次公募については7月31日(火)までで終了。第3次公募については第2次公募の採択結果により決定される。
実施期限:2024年2月15日(木)

▼外食産業事業成長支援補助金

■事業再構築補助金
コロナ禍で売上が減少する中小企業等の思い切った事業再構築を支援する制度。新分野転換や業態転換、事業・業種転換、事業再編などに取り組む事業者が対象。「成長枠」、「グリーン成長枠」、「卒業促進枠」、「大規模賃金引上促進枠」「産業構造転換枠」、「サプライチェーン強靱化枠」、「物価高騰対策・回復再生応援枠」があり、それぞれ補助額や補助率等が異なる。

第10回公募からは、コロナや物価高等により依然として業況が厳しい事業者への支援として「物価高騰対策・回復再生応援枠」を措置することに加え、「産業構造転換枠」「サプライチェーン強靱化枠」「成長枠」が新設された。

補率額:最大1.5億円(グリーン成長枠・中堅)
補助率:最大3/4(最低賃金枠)
申請受付期間:【第11回】2023年8月10日(木) ~2023年10月6日(金)18:00まで

第10回公募から新設された「物価高騰対策・回復再生応援枠」の概要は下記の通り。

・申請類型(枠)の新設
<物価高騰対策・回復再生応援枠>
業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む中小企業等、原油価格・物価高騰等の影響を受ける中小企業等の事業再構築を支援。

▼補助金額
【従業員数5人以下】100 万円~1,000万円
【従業員数6~20人】100 万円~1,500万円
【従業員数21~50人】100 万円~2,000万円
【従業員51人~】100万円~3,000万円

▼補助率
中小企業者等 2/3
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4)

中堅企業等 1/2
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3)

▼事業再構築補助金

■産業雇用安定助成金
2023年4月1日より新設された、従業員に支払う賃金の一部を負担する制度。4月1日以降に「事業再構築補助金」の応募書類を提出し、交付が決定している事業主と、新たな事業への進出などの事業再構築に係る業務に就く労働者が対象。補助額は雇入れ1人あたり最大280万円。

産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)の支援対象となるのは、事業再構築補助金の「物価高騰対策・回復再生応援枠」と「最低賃金枠」を申請した事業者のみであることに注意が必要だ。

また、対象労働者の雇い入れにあたって次の全ての条件を満たす必要がある。

1.雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れること
2.期間の定めのない労働契約を締結する労働者(パートタイム労働者は除く)として雇い入れること
3.事業再構築補助金の補助事業実施期間の初日から当該期間の末日まで雇い入れること

さらに、対象労働者についても従事する業務や賃金等の条件がある。

補助額:最大280万円/1人

▼産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)

■小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者が経営計画を作成し、その計画に沿って行う販路開拓や生産性向上の取組等を支援する制度。通常枠、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠、インボイス枠がある。申請受付締切は、第13回が2023年9月7日を予定している。

補助額:50万円~200万円
補助率:2/3
申請受付締切:【第13回】2023年9月7日(木)

▼小規模事業者持続化補助金(一般型)

■IT導入補助金2023

中小企業・小規模事業者等が、自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する制度。「ITツール」とはパッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用等のこと。例えば、会計業務の迅速化を目的としたPOSレジ等の導入や、人手不足を解決するためのオーダーシステムなどが対象となる。また、クラウドを利用したシステムの場合は、2年分のクラウド利用料も助成の対象。通常枠は導入するITツールが担う業務プロセスの数によって、A類型・B類型に分かれており、それぞれ補助額が異なる。

補助額:A類型/5~150 万円未満、B類型150~450 万円以下
補助率:1/2
申請受付締切:【後期】2023年8月1日(火)受付開始~ ※終了時期は別途案内予定

▼IT導入補助金2023

■業務改善助成金

事業所内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを図るとともに、その事業者の生産性向上を支援するための制度。

事業場内最低賃金を一定額以上引き上げることを条件に、厨房設備やPOSシステムの導入、人材育成に関わる研修といった生産性向上に関わる投資の一部が最大600万円助成される。8月31日より制度が拡充され、適用範囲の拡大や、賃金引き上げ後の申請が可能となった。

助成額:30万円~600万円(賃金引き上げ額/引き上げ人数によって異なる)
助成率:事業場内最低賃金によって異なる
申請受付締切:2024年1月31日(水)

▼業務改善助成金

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マサマサ 大阪府 ラーメン 2店舗以内
わかりやすくかった。
またお願いします
2023年09月24日 10時11分05秒
マサマサ 大阪府 ラーメン 2店舗以内
またお願いします
2023年06月11日 10時59分50秒
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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。