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飲食店の約7割が「人手不足」を実感。「賃上げしても効果なし」の声も

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画像素材:PIXTA

新型コロナウイルスの制限が緩和されるなか、飲食店では再び人手不足が深刻化してきている。こうした状況を打破するため、従業員の賃金について見直しを検討し始めた飲食店もあるのではないだろうか。そうしたなか、弊社のリサーチサービスである「飲食店リサーチ」が、飲食店経営者・運営者を対象に従業員や給与に関するアンケート調査を実施した。今回は、その結果から飲食店従業員の賃金にまつわるリアルな声をお届けする。

【注目記事】飲食店の「人手不足」が深刻化、7割以上がアルバイト不足と厳しい状況。”求人増加”で人材争奪戦も

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:458名
調査期間:2022年5月27日~2022年6月1日
調査方法:インターネット調査

■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち70.3%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は52.4%(首都圏の飲食店の割合は69%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。

従業員不足を感じる飲食店は67.4%、求人応募がない店舗も

初めに、回答者の店舗の従業員数が充分であるか尋ねたところ、半数近くが「やや不足している(48.9%)」と回答。「不足している(13.3%)」、「かなり不足している(5.2%)」との回答と合わせると、67.4%が人手不足を感じている状況が明らかとなった。「充分である」との回答は32.5%だった。

「飲食店における従業員や給与に関するアンケート調査」より

続いて、直近1か月の求人応募の状況についてうかがったところ、最も多かったのは「募集していない(47.4%)」との回答だった。残りの52.6%は求人募集をしているが、その内訳をみると「充分に応募がある」との回答はわずか3.9%に留まった。「少ないが応募はある」が29.9%、「応募はない」が18.8%となっており、募集を出しても充分な応募が集まっていない状況がうかがえる。

「飲食店における従業員や給与に関するアンケート調査」より

次に、正社員(または月給契約の従業員)における平均月給を尋ねたところ、「正社員を雇用していない(26.9%)」との回答を除くと、最多は「21万円~25万円(23.6%)」。これに「26万円~30万円(22.7%)」、「31万円~35万円(12.2%)」が続く。

「飲食店における従業員や給与に関するアンケート調査」より

また、アルバイト(または時給契約の従業員)における平均時給についても尋ねたところ、最多は「1,000円~1,100円未満(35.2%)」との回答で、次いで「1,100円~1,200円未満(20.1%)」、「1,200円~1,300円未満(12.0%)」が続く。この結果は、本アンケートの回答者のうち東京にある飲食店の割合が52.4%であり、アンケート回答時点の東京都の最低賃金が1,041円であることなどが影響しているとみられる。

「飲食店における従業員や給与に関するアンケート調査」より

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。