21坪で月商1,000万円超え『肉野菜炒め ベジ郎』。「ありそうでなかった」が成功の理由
大量の野菜を強い火力で炒められるのは飲食店だからこそ
ストーリーづくり、課題解決、家庭との差別化
では、実際に『肉野菜炒め ベジ郎』は成功したといえるのだろうか。渋谷総本店は最高月商950万円、池袋東口店は1,080万円で、想定よりもいい売上だという。
「想定よりも売上が良かった理由として、八百屋がやっている野菜炒め専門店というストーリーだと思っています。ストーリーがあれば、社会での伝達速度が速くて浸透しやすいんです。もうひとつの理由は、課題解決ですね。みんな野菜不足だと認識していても、野菜を食べようと思ったらサラダくらいしかない。そこにガッツリ系の定食というのがなかったんですよ。そこが空洞化しているので、これは流行ると思いました」
さらに、外食でうまくいくポイントとして、家庭でやりにくいことを挙げた。例えば、串カツは家庭でできないことはないものの、自宅でやりたいと思う家庭はあまりないだろう。野菜炒めは家庭でもできるため、差別化を図らなければならない。
「大量の野菜を炒める中華鍋は家庭にないですし、しっかり炒める火力もない。また、『肉野菜炒め ベジ郎』では肉を唐揚げにしています。野菜炒めを作ってさらに唐揚げを揚げるなんて、家庭でやりたいとはあまり思わないはずです」
21坪18席で最高月商1080万円を売り上げる『肉野菜炒め ベジ郎 池袋東口店』
売り方とブランディングで価値を高める
フードサプライは農業の課題解決を目的としており、野菜の供給量を増やすという前提でさまざまな事業に携わっている。それは、農業ビジネスのブランディングなど、農業の周辺事業に携わっていくことで、農業を確固たる事業としたいという思いがあるからだ。
「農業は損をしている業界だと思っています。商品価値はモノだけでは決まりません。食べる前に、野菜をどうブランディングしていくかが大切です。一般の野菜も、ドライブスルー八百屋で売っている野菜も、『肉野菜炒め ベジ郎』で提供している野菜も一緒。でも、『肉野菜炒め ベジ郎』というブランディングによって野菜の供給量が増えています。売り方とブランディングを変えれば、農業の未来は明るいんじゃないかと思っているんですよ」
ありそうでなかったアイデアを実現し、野菜の供給量をどんどん増やすフードサプライ。これまで以上に『肉野菜炒め ベジ郎』が浸透すれば、日本の農業も変わっていくかもしれない。
『ベジ郎 池袋東口店』
住所/東京都豊島区東池袋1-23-5 新大同ビル1階
電話番号/03-5927-8171
営業時間/11:00~22:00
定休日 /なし
席数/18
