『スシロー』迷惑動画の少年を提訴。6,700万円の損害賠償請求に、抑止効果を期待の声も
大手回転寿司チェーン『スシロー』を運営する「あきんどスシロー」が、店内で醤油ボトルを舐めるなどの迷惑行為を行った客の少年に、約6,700万円の損害賠償を求めていることが報じられた。『スシロー』は、事件が判明した当初から毅然とした対応を取っており、ネット上ではさまざまな声が上がっている。
6,700万円の損害賠償を請求、さらに増える可能性も
今年1月、岐阜県内の『スシロー』に来店した少年が店内で、醤油ボトルや湯呑みを舐めたり、レーンを回る寿司に唾液を付けたりといった悪質な迷惑行為を行っている動画がSNS上で拡散、炎上した。
迷惑行為に対し『スシロー』は、1月30日に刑事・民事の両面から厳正に対処する方針を公式サイト上で示し、翌31日には警察に被害届を提出。迷惑行為が撮影された店舗では、醤油ボトルの入れ替えや湯呑みの洗浄などの対応に追われた。また、防止策として、全国の郊外型店舗の席とレーンの間にアクリル板を設置することも発表している。
こうしたなか、3月に『スシロー』の運営会社である「あきんどスシロー」が迷惑行為を行った少年を提訴。約6,700万円の損害賠償請求をしていることが明らかとなった。動画が拡散したことで、客足が大きく減少したほか、親会社である「FOOD & LIFE COMPANIES」の株価が下落し、1日で160億円を超える損失が出たという。
さらに『スシロー』は、アクリル板の設置を全国的に進めていることから、請求額が増える可能性についても言及。少年側は、争う姿勢を見せているという。
『スシロー』の訴訟、飲食店での迷惑行為の抑止力となるか
飲食店に対する迷惑行為は過去にもあったが、店側が泣き寝入りとなることもあった。しかし、今回の件で『スシロー』は、警察への被害届の提出や損害賠償の請求など、一貫して厳しい姿勢を見せている。それだけ、迷惑動画に憤りを感じているのだろう。
仮に少年側が数千万円の損害賠償を支払うことになった場合、簡単に支払える金額ではないが、SNS上では『スシロー』に賛同する声が目立っており、少年に対する同情の声は少ない。また、ネット上では、今回の訴訟が飲食店に対する悪質な迷惑行為の「抑止力」となることを期待する声も上がっている。
『スシロー』の件を始めとする一連の外食テロは、回転寿司店だけでなく、外食全体の食の安全を揺るがす社会問題となっている。『スシロー』が毅然とした対応を取っているのは、回転寿司業界、ひいては飲食業界全体を脅かす悪質な迷惑行為を防ぐ効果を期待している側面もあるのではないだろうか。
一連の外食テロ問題では、実際に逮捕者も出ており、『スシロー』で迷惑行為を行った少年についても、書類送検となる方針であることが2月に報じられている。今回『スシロー』が6,700万円の損害賠償請求を行ったことがさらなる抑止力となり、飲食店に対する悪質な迷惑行為がなくなることを期待したい。
