昭和14年創業の名店『ふくべ』、親子3代で受け継いできた“酒場の心得”とは!?
東京・日本橋にある居酒屋『ふくべ』の創業は昭和14年(1939年)。一度移転はしているものの80年以上続く老舗だ。そんな『ふくべ』を現在3代目として仕切っているのは北島正也氏。親子3代で受け継いできた歴史、そして「これから」について聞いた。
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戦前から続く店の3代目として
北島氏はもともと福祉業界で働いていたというが、店に入ったきっかけは?
「自分が中学生だった頃、創業者である祖父が入院した際に『誰が継ぐかはわからないけど、店名は残して続けてほしい』という話をしていたそうです。その後、父が2代目として店を継ぎましたが年齢的にこの先何十年も続けられるわけではない。自分も『ふくべ』を続けていきたいと思っていたので、8年ほど前に会社を退職して店に入ることに決めました」
北島氏が『ふくべ』に入って数年後、2代目の大将(北島氏の父・北島正雄氏)が病気で入院。そこからは北島氏が若大将として店を切り盛りしている。
「大将の病気があってからは母である女将が厨房を仕切り、自分が店をまとめる立場になりました。歴史のある店なので不安はありましたが、大将や女将、周りのスタッフと協力しながら順調に店を回しています」
2代目は病気にかかって以降、体力的にも実務が難しい状態ながら、店には出ているという。
「大将本人の『病気をしても頑張りたい』という思いもあって、現在も店には立ち、お客様と顔を合わせています。大将目当てで来てくださる長年の常連さんもいるほどですから、やっぱり今でも『ふくべ』の顔ですよ」
