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坪月商70万円超の“最強”居酒屋『おじんじょ』が教える「繁盛店の定理」

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『おじんじょ』を支えるメンバー。右から二人目が代表の高丸聖次氏

消長が激しい飲食業界において、居酒屋は特に競争が激しい業態と言われる。そんな中、2014年のオープンから3年の『晩酌屋おじんじょ』は連日大賑わいで、食の街・恵比寿でも有数の人気店となった。「強い居酒屋」になるためには何が必要か。同店を運営する(株)5way kitchenの代表取締役・高丸聖次氏に強さの秘密を聞いた。

7.8坪で月商500万円超え。繁盛した4つの秘密

取材に訪れた平日の午後、店内では音楽が流され、スタッフが仕込みの準備に動き回っていた。すでに開店しているかのような活気。勢いのある店は、こんな感じなのだろうと思わされる。

居酒屋は一般的に月商ベースで坪単価20万円が普通の店、30万円を超えたら繁盛店と言われる。『晩酌屋おじんじょ』は7.8坪(約25.7平方メートル)の店舗で月商は「500万円から600万円の間」(高丸氏)という。仮に550万円としても坪単価は70万円を超えるから「超繁盛店」と呼んでも差し支えないだろう。

繁盛の秘密は大きく分けて以下の4つにある。

(1)6種類のレモンサワーを中心とした充実したドリンク類
(2)工夫された食べ物のメニュー
(3)ターゲット客層と常連客対策
(4)客に満足を与えるプラスワンのサービス

以下、順番に見ていこう。

カウンターには日替わりのおばんざいが並ぶ

レモンサワーは6種類、“二軒目”の人でも楽しめる

居酒屋の売り上げの比率は通常、食べ物6割、ドリンク4割が目安だが『おじんじょ』は食べ物4割、ドリンク6割。さらにそのドリンクの7割を、高丸氏の故郷・広島から取り寄せた瀬戸田レモン使用のレモンサワーが占めている。レモンサワーだけで6種類あり、様々な味を楽しめる。

「いつもの生レモン酎」がオーソドックスなタイプで、「ミント香るレモン酎」は、はちみつレモンを用いて「モヒートっぽく作っている」(高丸氏)。「オヤジの麦レモン酎」は大分県の麦焼酎「泰明」を使った麦の香りが強いタイプ。6種それぞれが個性豊かに仕上げられている。

充実したレモンサワーのラインナップで、その日、二軒目という客も取り込むことに成功した。「お客さんが二回転目となる午後9時、10時になってくると、ドリンクとつまみ一品ぐらいのお客さんが多くなります。二軒目がバーでなく、気疲れしない居酒屋でサワーを飲むという感じですね。あそこに行ったら色々なサワーが飲めるというのが、お客さんの頭の片隅に入っているのかもしれません」と高丸氏は言う。

『おじんじょ』の名物・レモンサワー。1杯480円とリーズナブルな価格設定だ

居酒屋は3つのメニューがうまければ足りる、流行る店の共通項「おじんじょの定理」

流行る居酒屋は当然、食事もおいしい。高丸氏は居酒屋をオープンする前の2年間、10年、20年続く老舗の居酒屋を中心に多く回り、繁盛の秘密を探った。そこで流行る店舗の共通項を発見したという。それは極めて単純な定理である。

「流行る店はポテトサラダ、煮込みとレモンサワーがおいしい」

この「おじんじょの定理」とも呼ぶべき共通項に忠実にメニュー開発をして、誕生したのが見た目も鮮やかなポテトサラダ。器に盛られたポテトサラダの上に、金色のカレー味のおしんこが高く盛られている。実際に食べてみるとクリーミーなポテトサラダに、風味が効いたカレー味がアクセントになっている。

「色々な店を見て回った時に教えていただきました。勉強の成果と言いますかね。なかなか自分だけではできない発想がありますから」と高丸氏は言う。

カレー味のおしんこが盛られた「おじんじょのポテサラ」580円

煮込みは脂の乗った牛すじ肉と柔らかな絹ごし豆腐のコラボレーション。カウンターの目の前に鍋が置かれ、こってりした外観には、ついつい「これください」と言ってしまいそうな吸引力がある。

さらに同店では神明鶏の肉汁焼きが人気を集めてきた。サワーのレモン同様、オーナーの故郷広島県のブランドの神明鶏を使用。1日マリネしてからグリルで表面をパリパリになるまで焼くが、中はジューシー。上(手羽むね)、下(もも肉)の2種類があり、これに自家製のレモン塩をつけていただく。パリパリの食感、柔らかな肉質、そしてレモン塩のすっぱさが効き、3つの味が見事な調和を遂げている。食べやすいようにスタッフが目の前で一口サイズに切り分けてくれるので、女性にも人気があるという。

こうした人気メニューに加え、お通しも4種類のお番菜から選べるようになっており「夕食を取りつつ一杯」という客には、たまらない構成となっている。

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松田 隆

About 松田 隆

フリーライター。スポーツ新聞社に29年余勤務し、記者を長く務める。法律関係を中心に政治、社会の諸問題を扱い、飲食を含む文化、スポーツに関する執筆も行なっている。青山学院大学大学院法務研究科(法科大学院)卒業。