白金の工場跡に開業した隠れ家。ワンオペのレストラン『FRANZ』がお客様を引きつける理由
白金高輪駅と広尾駅からそれぞれ歩いて15分、白金北里通りから路地に入った場所にあるフレンチレストランの『FRANZ』(フランツ)。客席はカウンター10席のみ。オーナーシェフの福田祐三氏が、調理もサービスもすべて1人で切り盛りしている。
隠れ家的な雰囲気や目の前で繰り広げられる調理のライブ感、福田氏のこれまでの経験に裏打ちされた料理の数々が評判を呼び、地元の住民からトレンドに敏感な食通まで、さまざまなお客でにぎわっている。
名店の数々を経て独立。下町に建つ趣のある木造の物件で開業
東京日仏学院内の『ブラッスリーベルナール』をはじめ、箱根『オーベルジュ オー・ミラドー』、代官山『レストラン・パッション』、マンダリン オリエンタル 東京『シグネチャー』といった名だたるフレンチレストランで修業した福田氏。その後、「もっと生産者とのつながりを持ちたい」と、カリフォルニアスタイルのレストラン『イートリップ』やイタリアン『チニャーレ エノテカ』で働いた。
物件探しにあたって福田氏が挙げたのが、「にぎやかな通りから奥まった静かな場所」「路面店」「独立性がある」という条件。働きながら3年かけ、ようやく見つけたのが現在の物件だ。白金というと高級住宅街のイメージがあるが、周辺は古い商店や工場もある庶民的な下町。『FRANZ』の店舗もステンレス加工の工場だった木造の建物で、一見するとレストランとは思えない外観だ。
「偶然見つけて心引かれたものの、本当にここでお店ができるのか、お客様が来てくれるのかと不安でした。でも、『イートリップ』の内装を手掛けたデザイナーに相談したところ、『福田くんならできるよ』と後押ししてくれたのが決め手になりました」
