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用賀、三茶、駒沢で話題の居酒屋『スタンドS』。大ヒットの秘訣は“永続的コミュニティづくり”

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「牛すじポテサラ」(780円)。牛すじ煮の下にはマッシュポテトが隠れており、卵黄と一緒にかき混ぜて食べる

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何度通っても飽きない・はずさないメニュー

“ついつい通っちゃう”店にするためのもう一つの工夫が、料理とドリンクだ。

創業店である『用賀スタンドS』を開業した当初は、ワインに合う和食と洋食を合わせた料理で構成していたが、和洋中を問わず居酒屋とレストランの中間をイメージしたメニューに路線変更したところ、売上がアップ。大半の料理の単価は1,000円以下に設定したという。

定番を中心に、店ごとにシェフの持ち味を打ち出したメニュー。群馬「カバファーム」の無化学肥料・無農薬栽培の野菜を使った料理は全店共通で、研修の一つとしてスタッフが現地で農作業の手伝いも行う

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「気軽さはあっても、家庭では作れない料理を意識しています。例えば、酢豚は塊肉をタワーのように重ねたり、ポテトサラダはフレンチの定番料理でジャガイモのピューレを添えた牛肉の赤ワイン煮からヒントを得て、マッシュポテトの上に牛すじの煮込みをのせたりと、さまざまな定番料理を分解・再構築して目新しさのある仕立てにしています」

カラムーチョと人参をマヨネーズであえた「人参カラムーチョ」(580円)は、人気のあまりはずせなくなった定番メニュー

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アルコールもビール、サワー、焼酎、日本酒、ワインなど一通りのジャンルをそろえるが、どこにでもあるものは置かないようにしているという。それぞれのジャンルを深掘りして愛好家もうなるような品々をラインアップしつつ、例えば、焼酎と自家製カクテルは680円の同一料金とし、レアなものほどお得な価格設定にして値打ち感を演出。どんなお酒が飲みたい時でも「この店に行けばいいものが置いてある」と思わせる狙いであり、それもまたリピーターの獲得につながっている。

ナチュラルワインからクラフトビールまで通をうならすラインアップ

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難波美枝

ライター: 難波美枝

ライター・エディター。プロ向けのフランス料理専門誌の編集部におよそ10年在籍した後、フリーランスに。料理雑誌やワイン専門誌、Webなどで星つきレストランからビストロ、バルまで、幅広く取材。