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幡ヶ谷で話題のワインバー『山田』。お客が“自然体”で過ごせる店で、街に根ざす

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山田氏が子育て中のため、スタッフの岡崎渚氏(写真右)と二人体制。二人とも京都出身

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幡ヶ谷は、ナチュラルワインと日常の生活が隣り合わせにある街

京都にいた頃から、幡ヶ谷のイタリアンとナチュラルワインの店『SUPPLY』などと交流があり、この街にはたびたび訪れていたという山田氏。東京へ拠点を移すことが決まり、幅広いエリアで物件を探す中で、飲食店が日常の暮らしのすぐ隣りにあるこの街の空気が、自身が描く店にぴたりとハマったと振り返る。

幡ヶ谷は今、ナチュラルワイン好きにとってもっとも熱い街といえるだろう。個性的な小規模店が多く点在し、2軒、3軒とワイン巡りをするお客も少なくない。一方で、すぐ側には老舗の大衆居酒屋があったり昔からの住人が暮らしていたりと、新旧の飲食店が人々の生活と共存する独特のカルチャーが築かれてきた。

「私が一人飲みが好きな理由は、仕事から家庭に戻るまでに、つかの間の『自分の時間』がつくれるからです。仕事も現実、でも家庭も現実(笑)。もしその間に、気張らずに行ける店があれば、ご褒美や気分転換になると思うんですよね。渋谷区でありながら渋谷らしくなく、新宿も近いけど新宿ではない。幡ヶ谷なら、お勤めの方にも地元の方にも寄り添えるかなって」

カウンターの他、一部小さなテーブル席も設ける

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馴染みのあるメニューをナチュラルワインに合うようアレンジ

そんな思いをのせたのが『山田』という飾らない店名であり、馴染みあるメニューの数々だ。誰もが親しみを持つ一品に、故郷・京都の食材を取り入れ、ナチュラルワインに合うよう軽やかにアレンジする。

「豚肉とすぐきの春巻き」(1本 495円)

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中でも、京都を代表する漬物「すぐき漬け」を使った「豚肉とすぐきの春巻き」は『山田』自慢の一品。乳酸発酵による独特の酸味と風味を持つすぐき漬けが、ナチュラルワインのフレッシュな発酵感と調和し、定番の家庭料理である春巻きが見事なワインのアテに。ワインを邪魔しないやさしい味付けや、どれも一人前のポーションで気軽にオーダーできるのも、ワイン好きたちが足繁く通う理由だ。

「鱈とミモレットのポテサラ」(748円)は『ekaki』の人気メニューを継承。じっくり焼いた鱈とミモレットの旨みでワインが進む

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。