幡ヶ谷で話題のワインバー『山田』。お客が“自然体”で過ごせる店で、街に根ざす
大切なのは「自然体で過ごせること」
この日、山田氏は「『気合を入れて外食しに来る場所』ではなく、『ふらっと立ち寄る場所』でありたい」と何度も繰り返した。
「些細なことですが、ご来店時は『いらっしゃいませ』ではなく、『こんにちは』『こんばんは』とお声がけしています。身構えてほしくないのと、返答の仕方でなんとなくその方が求める距離感が伝わるんです。静かに過ごしたいのかなとか、何か嬉しそうだから話したいのかなとか。声色や表情から、私たちもお客様との距離を探っています」
『山田』には日々、さまざまなお客がそれぞれの自分の時間を過ごしに訪れるという。黙々と読書に勤しむお客がいれば、山田氏やスタッフの岡崎氏に悩みを相談しに来るお客がいたり、友人同士で会話に花を咲かせるお客がいたり。それは、まるで喫茶店やスナックのような過ごし方でもあるのだが、それでもここに集まってくるのは、ナチュラルワイン好きばかり。ワイン好きの大人たちが思い思いの時間を自然体で過ごせる場所。それが『山田』なのだ。
気取らず、気張らず、長く街に根ざす店に
「派手なことはできないけれど、今『山田』に来てくださってる方にこれからもずっと来ていただけるように、地道に着実にここに根ざしていきたい」
3周年を目前に、そう語った山田氏。お客が自然体で過ごせる空間は、ここに立つ山田氏や岡崎氏ら自身も、気取らず気張らず、自然体でいることで生まれているのだろう。今後は地元・京都の店や、互いに紹介し合ういいコミュニティができているという幡ヶ谷の飲食店とのコラボイベントもできたらと声を弾ませた。
月日の流れと共に、ますます味わい深くなっていきそうな『山田』。今後の熟成が楽しみだ。
『山田』
住所/東京都渋谷区西原1-21-16 パラスト西原104
営業時間/17:00〜23:00、土日祝15:30~23:00
定休日/火曜・不定休
坪数・席数/8坪・10席
https://www.instagram.com/yamada.wine/
