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激戦区で連日2回転! 神泉で話題のイタリアン『ANDs.』を地域に定着させた“シンプルな差別化”

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黒板にずらりと書かれたグラスワインのメニュー(画像提供:ANDs.)

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気軽に飲めるグラスワインを揃えて「日常使い」を促進

売りであるワインは、グラスで約15種(1,000円~)を揃えつつ、厨房の上に設けた黒板に、品種、産地、味の特徴を細かく明記。これにより、ワイン初心者でも黒板を見ただけで注文でき、かつサービススタッフのオーダーの負担も軽減している。

ワインの種類は、昨今トレンドのナチュールワインではなく、イタリアの名醸地などクラシックなワインが中心。若い層向けにオーガニックワインも揃え差別化を図りつつ、1人客や短い滞在時間でも気軽に楽しめる環境を整えた。

入口そばの立ち飲みスペース(画像提供:ANDs.)

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接客においても、「“こんばんは”の挨拶から始まり、営業中もフレンドリーなサービスを心がけています。神泉を利用するお客さまは、この界隈で飲み歩くことが多いので、リピーターの方はお顔を覚えて『いつもありがとうございます』と声を掛けることをスタッフにも徹底しています」と西方氏。

こうした「日常使い」を促進する施策が功を奏したのか、リピーターは4割ほど、2時間制の予約が連日2回転する人気ぶりだ。友人やカップルなど2名での利用が多く、女性客が全体の6割。客単価は5,000~6,000円で推移しており、すでに経営は軌道に乗っている。

「都会なのに、ご近所付き合いが活発」な神泉の魅力

店舗は、神泉駅から徒歩1分の2階建てビルの1階。もとは住居として使われていた戸建てをテナントビルに改装するタイミングで入居し、約10坪の空間にカウンター10席とテーブル8席、立ち飲みスペースで計23席を設けている。

店は神泉駅から徒歩1分、渋谷駅からでも徒歩10分ほどの裏路地にある(画像提供:ANDs.)

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開業前は、渋谷、恵比寿あたりで物件を探していたという西方氏だが、神泉は「店を出す前から良い場所だなと思っていた」と話す。

「実際に開業してみたら、近隣の飲食店がみんな親切で仲が良いことに驚きました。都会なのに地元の付き合いのような関係性があるのは、東京では珍しい。お互いに情報交換したり、飲みに行ったり。お客さんや仕入れ先を紹介してもらうこともあり、ライバルという意識はあまりないです」

神泉エリアに通うリピーターは、お互いを認め合い、助け合う飲食店の関係性に心地よさを感じているのかもしれない。

ワインや食材の仕入れ先を、近隣の飲食店と情報交換することも

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/