『マクドナルド』、ハッピーセットの転売対策を強化。9月12日から新ルールを導入
日本マクドナルドは、2025年9月12日(金)に発売するハッピーセットについて、購入方法と個数に新たなルールを設けると発表した。背景には、過去に社会問題化した人気商品の買い占めと転売がある。すべてのお客に公平に商品を提供し、ブランド価値を守ろうとする今回の取り組みは、飲食店経営者にとっても注目すべき事例といえそうだ。本記事ではその詳細と背景を見ていこう。
>>飲食店“専門”の求人サイトだから即戦力が見つかる。社員とアルバイトまとめて19,800円で掲載可!
初日は店頭販売のみ、1グループ各3個までに制限
『マクドナルド』は「転売目的の大量購入や食品の放置を防ぐ」ため、9月12日から発売するハッピーセットについて、特に人気が集中する期間に限定した新たな販売ルールを設けた。
対象となるのは、おもちゃのハッピーセット「プラレール」と「マイメロディ&クロミ」、そして「ほんのハッピーセット」の「シナモロールとあそぼう!」(絵本)、「月 宇宙なんちゃら こてつくん」(図鑑)の計4種類。これらの商品に対し、販売方法と個数の両面から制限がかかる。
■販売方法の制限(9月12日限定)
販売は店頭(レジカウンター、タッチパネル式注文端末)およびドライブスルーのみ。モバイルオーダー、マックデリバリー®、その他各社宅配サービスでの販売は終日停止する。
※13日以降は、12日の販売状況を踏まえて対応を判断するという
■販売個数の制限
<対象期間>
第1弾:9月12日(金)~9月15日(月・祝)の4日間
第2弾:9月26日(金)~9月28日(日)の3日間
<購入制限>
1グループ、1回の会計につき、対象商品それぞれ3個まで。同じグループによる複数回の購入は断る場合がある。
このルールは、『マクドナルド』の「食品の放置・廃棄を容認しない」という強い姿勢の表れといえそうだ。一方で、日常的にモバイルオーダーを活用しているお客にとっては、一時的な不便が生じるかもしれない。また、「同じグループ」の判断や複数回の購入への対応など、現場スタッフの負担が増えることも懸念される。公平性と利便性のバランスをどう取るか、難しい舵取りが求められそうだ。
騒動の背景には、8月の“ポケモンショック”
今回の対策の引き金になったとみられるのが、2025年8月8日に発売された「ポケモン」のハッピーセットを巡る騒動だ。人気キャラクターのおもちゃが付属したため、発売直後から各地の店舗で争奪戦が繰り広げられたという。
特に問題視されたのが、いわゆる「転売ヤー」による買い占めだった。本来のターゲットである子どもたちやファンに商品が行き渡らず、フリマアプリなどではおもちゃが高額で取引される事態となっていた。
さらに深刻だったのが、食品の大量廃棄問題だ。おもちゃだけを抜き取り、食品を店舗周辺に放置するケースが全国で報告された。この事態を重く見た消費者庁は、日本マクドナルドに対して販売方法の改善を要望するまでに至った。こうした行政の動きからも、この問題が単なる人気商品の品薄騒動にとどまらず、企業の社会的責任が問われる社会的な課題であることがうかがえる。
今回の『マクドナルド』の対応は、飲食店経営者にとってもひとごとではないだろう。お客に公平な体験を提供し、社会的責任を果たそうとする姿勢は、これからの飲食店に不可欠な要素といえそうだ。
