池尻大橋『るつぼ』、〆蕎麦で中目尻エリアを席巻。今ウケる“大人居酒屋”のつくり方
蕎麦好きが高じて飲食の道へ。“割烹×居酒屋の良いとこどり”を学ぶ
もともとはアパレル業界でキャリアを積み、店舗の運営や接客などで活躍していた西村氏。蕎麦好きが高じて料理に興味を持ち始め、旬の食材を使った創作和食で人気の名店『並木橋なかむら』で、30歳の時に飲食業界でのキャリアをスタートさせた。
「入店当初はそれこそ包丁の使い方から学んだ」と西村氏は振り返る。その頃は将来、独立開業したいとまでは考えていなかったが、『並木橋なかむら』の人気の秘密でもある、お客の心をつかむオリジナルメニューの数々に日々触れたことは、現在のメニューづくりの土台になっているという。
「“居酒屋と割烹の間の業態”という面白さを学べたのは、『並木橋なかむら』ならではでした。数年間料理を学び、そのあとは広尾にある系列店『味のなかむら』に異動になったんです。広尾という場所柄、ワインの需要が多くて、そこからワインに深く関わるようになりました」
飲食業界に飛び込んで3年ほど経った頃から、「将来自分の店を持ちたい」と思うようになったという西村氏。さらに、『味のなかむら』で学ぶうちにどんどんワインへの興味も増していった。そこで、もともと好きだった「蕎麦」と「ワイン」を掛け合わせたら面白いんじゃないか、と具体的に考えるようになったという。
お店のコンセプトとして大切な役割を担う「〆蕎麦」の存在
現在『るつぼ』で提供しているメニューは、『並木橋なかむら』で学んだ料理をベースとした創作和食がメインで、「酢〆鰯の海苔巻き」(1,200円)や「鴨ロース煮」(1,000円)、手羽先唐揚げ(1,000円)などがおつまみとして人気。
さらに“〆蕎麦”として、「もりそば」(900円)、「ぶっかけとろろ玉子そば」(1,200円)、「かけそば」(1,000円)、「中華そば」(1,300円)の4種類を提供している。蕎麦は福島県会津産のそば粉を使った二八そばで、そばつゆはこだわりの自家製。特に和出汁を使ったオリジナルの「中華そば」は、一見すると中華麺のように見えるが、日本そばを使用していて、飲んだ後の“〆”としてオープン当初からの看板メニューだ。
お店が19時からオープンということもあり、2軒目としての利用やこの「中華そば」を目当てに、遅い時間帯に立ち寄るお客も少なくない。お酒は60種類以上のナチュラルワインをはじめ、クラフトビールを10種類ほどそろえる。さらに生ビールやハイボールなども楽しめる。
