他人事ではない「飲食店のネズミ被害」。SNS拡散のリスクと今すぐ取り組むべき衛生管理
2026年1月上旬、「東京都の焼肉店に行ったら、テーブルにネズミが落ちてきた」とされる動画がSNSで拡散し、大きな騒動となった。飲食店でネズミ被害が発生すると、衛生面への懸念だけでなく店の評判にも深刻な影響が及びかねない。今回は、ネズミ被害が発生した際の初動対応と、被害を未然に防ぐための3つの習慣について解説する。
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万が一動画が拡散されたら。「誠実な初動」がお店の未来を左右する
ネズミ被害が発生した際、最も避けるべきは「隠蔽(いんぺい)」や「開き直り」といった対応だ。そうした店側の姿勢を目の当たりにすることで、お客は衛生面への不安だけでなく、店そのものへの不信感をさらに強めてしまう。
特に、SNSで多種多様な情報が拡散される現在では、不誠実な対応や開き直った姿勢を見せると、スマートフォンで撮影されて拡散されるリスクも高まる。隠蔽しようとすればするほど批判は拡大し、店の評判回復には長い時間がかかってしまうかもしれない。逆に、真摯に事実を開示し改善策を示せば、お客の理解を得られる可能性もあるだろう。
万が一、ネズミが目撃されたら、速やかに保健所へ自主報告し、一時休業のうえで徹底的な除菌清掃を行うといった誠実な初動が不可欠だ。透明性のある説明と迅速な対応こそが最も大切だということを認識しておきたい。
専門業者任せにしない! ネズミを「住み着かせない」3つの習慣
ネズミ被害が発生してしまった場合は迅速な対応が必要だが、そもそも被害を未然に防ぐことも大切だ。専門業者による駆除だけでなく、日常的な衛生管理をしっかり行っておきたい。
ネズミが生存・繁殖するには「餌」「水」「隠れ場所」という3つの条件が必要だ。これらを遮断することで、ネズミを店内に住み着かせないような環境を整えることができる。
■餌と水の遮断
閉店後のシンクは必ず乾拭きし、水分を残さないよう徹底しよう。また、密閉式のゴミ箱を使用し、生ゴミは翌日まで放置せず毎日処分することが望ましい。食材は必ず密閉容器に保管し、開封したまま放置しない習慣をつけることも重要だ。
■隠れ場所の排除
段ボールはネズミの巣として利用されやすいため、店内に放置しないことが基本だ。さらに、床に物を直接置かず、棚や台を使って床から15cm以上浮かせた収納を徹底すれば、ネズミの隠れ場所を大幅に減らせる。厨房機器の裏やソファの内部など、普段見えない場所にも隙間を作らない工夫が必要だろう。
■早期発見の仕組み
ネズミの存在を示す痕跡は「ラットサイン」と呼ばれ、壁の黒いこすり跡、フン、かじられた跡、足跡などがある。これらを早期に発見するため、スタッフ全員で「ラットサインチェックリスト」を作って共有し、定期的に点検すると効果的だ。また、ネズミは1.5cm程度の隙間でも侵入できるため、換気扇や通気孔、ガス管・水道管の隙間、グリストラップなど、店外からの隙間をチェックし、金網やパテなどで隙間を塞ぐ「防鼠(ぼうそ)工事」も行っておきたい。
ネズミは食材をかじるだけでなく、電気コードをかじって火災を引き起こしたり、病原菌を媒介して食中毒のリスクを高めたりする危険な存在でもある。日々の衛生管理と早期発見の仕組みを徹底することで、ネズミ被害を未然に防ぐ環境を作り上げていきたい。万が一被害が発生した場合には、専門業者への相談も視野に入れ、迅速かつ誠実な対応を心がけよう。










