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2015年の飲食業界をふり返る。人手不足や食材高騰、来年どう乗り切る?

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今日はクリスマス。そして今年最後の金曜日であり、しかも給料日というおまけ付き。今夜、忘年会を開催する企業も多く、飲食店にとってはまさに大忙しの一日になりそうだ。そんな年の瀬の今日お届けするのは、2015年の飲食業界をふり返る企画。今年は飲食業界にとってどんな一年だったのか? その流れを解説しながら、2016年の展望を予想していきたい。

2015年、飲食店を困らせた問題とは?

今年、飲食業界を悩ませたのが食材価格の高騰。気候の影響で野菜の価格が、そして円安の影響で食肉の価格が高騰し、飲食店は軒並み痛手を被った。限られたコストの中でいかに付加価値を生み出していくか、この辺のアイデアに苦慮した飲食店も多いのではないだろうか。

当社がおこなった調査によると、飲食店の仕入れ担当者はやはりコストを大きく意識していた様子。この価格重視の仕入れ傾向は2016年以降も続いていきそうだ。

■飲食店運営者が食材仕入先会社に求めること(複数回答あり)
1位 コストが安い、または適正(254件/74.3%)
2位 商品の質が良い(222件/64.9%)
3位 配送の融通が利く(175件/51.2%)
4位 支払の融通が利く(45件/13.2%)
※有効回答数:342件

悩みといえば、人手不足が続いていることも飲食業界の大きな課題と言えるだろう。これは少子高齢化に伴って働き手が減少したこと、さらに景気が回復したことで様々な業界の人件費が高騰し、飲食業界へ人材が集まりにくくなっていることが理由として考えられる。何か根本的な解決策はないのだろうか?

当社がおこなった調査によると、飲食店で働く方の多くが3年以下で退職していることがわかった。詳しくデータをご紹介したい。
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3年以下の割合を合計すると60%近くにものぼっており、正社員の過半数が3年以内に退職するという結果に。この離職率の高さこそ慢性的な人手不足に陥っている大きな原因であり、店舗側はまずはこの課題をクリアする必要がある。そのためには、従業員に長く働いてもらうための企業努力が重要となってくるのだ。

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飲食店へ向けて、従業員定着のために実施している対策を質問したところ、最も多かったのが「適切な昇給・ボーナス」で43.8%。次いで「適切な昇進・キャリアアップ」も37%と高い割合で実施されていた。適切な評価とそれに見合った待遇を与えることが、従業員の定着率を上げるのに最も重要なことだと考えられているようだ。さらに、「休日数の確保」も39.7%となっており、労働環境の整備も重要なポイントと言えそうだ。

2015年はインバウンド需要が大きなキーワードに

今年はこのようなマイナス面だけではなく、大きなプラス面もあった。訪日外国人の増加、つまりインバウンド需要が年々増加しており、その影響が顕著に表れ始めているのだ。

2015年の訪日外国人の数は約1,900万人になる見込みとされている。彼らの一番の目的は「日本食を食べること」であり、東京や京都をはじめとした観光地の飲食店には、続々と外国人が訪れるようになった。こうして年々増加している背景には、「中国・ASEAN諸国での中間所得層の激増」「中国・ASEAN諸国からの旅行者へのビザの緩和」「円安の為替効果」などが理由として考えられるようだ。

また、当社の調査によると、毎日外国人が訪れる飲食店は全体の27.8%。約半数の店舗が、週に1回以上、外国人観光客を迎え入れていることがわかった。
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しかし訪日外国人の集客について質問をしたところ、「特に対策を行っていない」と回答した飲食店が68.9%にものぼり、まだまだ外国人観光客の呼び込みに積極的でないことがわかる。ホームページの英語対応、『トリップアドバイザー』をはじめとした口コミサイトの活用など、集客方法はさまざまとあるので、出来ることから実践していきたい。

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飲食店には“食の価値”を追及する姿勢がますます求められる

上で挙げたインバウンド対策は、2016年のひとつのテーマと言えるが、すぐに売上に繋がるとは限らない。飲食業界を取り巻くさまざまな流れを理解しながら、時代に即した経営をおこなっていくことがまずは大切だ。

特に近年は“食の価値”を追及する時代に突入していると言える。消費者は「安さ」よりも「品質」や「スタイル」を求める傾向にあり、これは2016年以降もより深化していく。いつもの商品にどんな付加価値を加えるのかが鍵というわけだ。

たとえば餃子という庶民的な料理ひとつとっても、最近は「餃子バル」なる店舗が誕生し、その食し方に多様性が生まれつつある。それを象徴する店舗が、フレンチの名手・鳴神正量氏がプロデュースする『ギョウザバー コム アパリ』だ。この店舗ではフレンチの手法を取り入れた餃子を提供するだけでなく、ワインとのマリアージュも追及。店内もオシャレなビストロ風の内装にすることで女性客を獲得することに成功している。餃子が本来持つ「安い」「美味しい」という価値に、さらなるエッセンスを加えることで成功した好例と言えるだろう。

また「品質」という面で象徴的なのが、隆盛を誇るクラフトビールの存在だ。画一化されたビール業界に風穴をあけ、今や大手ビール会社でさえもクラフトビール造りに取り組む。“クラフト(手作り)=素晴らしい”という価値観を確立させ、それはさまざまな食分野にも影響を与えた。ここ数年、シャルキュトリーを自ら開発する店舗が増え、そして日本酒を自家醸造する店舗まで登場したこともこうした影響を受けていると考えられるだろう。手作りすることで他店舗では味わえない「品質」を生み出し、それを強みに集客する。これはクラフトビールが世の中に与えた大きな流れだと言える。

こうしたトレンドを常に追いかける必要はないが、自店舗の強みを見直し、ゲストへどんな価値を提供できるのかを追及していく必要はある。“食の価値”とは一体なんなのか? 飲食店を経営する方なら一度は考えたことがあるこんなテーマが、2016年の成功の鍵になるのかもしれない。

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