2016年秋の食のトレンドは!? 高栄養価の「フムス」から低価格な「カジュアルワイン」まで

ヘルシーさが魅力の「フムス」が大人気の予感! Photo by stu_spivack「apps」
定着化するヘルシー志向。新たなメニューも登場!
目まぐるしく移りゆく食のトレンド。しかし、しばらく続いたヘルシー志向は定着しつつあるようだ。例えばベジタリアンメニューはさまざまな飲食店で定番化しつつある。なかでも今年の秋には、ダイエットフードとしてもジワジワ人気を集め出した中東の伝統食「フムス」が注目を集めそうだ。
フムスは茹でたひよこ豆を潰して、ニンニク、オリーブオイル、塩などを加えてペースト状にしたもの。パンや野菜につけて食べるのだが、低カロリーで栄養価も高いことからナタリー・ポートマンやアン・ハサウェイなどのハリウッド女優はじめ、世界中のベジタリアン、ダイエッターたちが愛用している一品だ。
また、ピザの起源とされている「ピンサ」も見逃せない。古代ローマ時代に作られたという歴史ある食べ物で、材料は小麦、米、大豆の粉。これに酵母を入れて70時間かけて自然発酵。この発酵のおかげでピザよりもヘルシーに、かつ軽い食感が味わえるようになるのだとか。具材もピザ同様のものが楽しめて、しかも低カロリー。原宿『ピンサ・デ・ローマ』や新宿『カブリオ』では、すでに人気メニューとしてグルメファンを虜にしている。

Photo by liz west「beets」
ダイエットに効く食材を使ったメニューが人気
最近、日本でも注目され始めた野菜といえば「ビーツ」だ。ビーツはボルシチに使われていることから、耳にしたことがある人もいるだろう。独特の甘みがあり、スープだけでなくサラダやパスタソース、そして酢漬けまでと幅広い調理法が楽しめる。
一方、アメリカでダイエットフードとして人気の野菜といえば「カリフラワー」だ。日本でもおなじみの野菜で、サラダやグリルで味わうのが定番として定着しているが、ニューヨークではその調理法がさらに進化。なかでも、白米の代わりに食べるカリフラワーライスは注目の一品だ。基本の調理法は、細かくカットして、素材に火を通すだけの簡単さ。これをカレーや丼ものの白米代わりとして利用。腸内環境を整えたい人や、糖質を控えたい人から高い支持を得ているようだ。

Photo by tablexxnx「火鍋」
秋冬の注目鍋は「火鍋」
秋になると鍋物がメニューに登場してくるが、今年の秋、特に注目したいのが本場中国からやってきた火鍋。仕切った金属製の鍋の中には、白濁した白湯スープと辛い味付けの麻辣スープの2種類。これを別々に煮立てて、好みの食材を煮込んで食べる。特に麻辣スープは唐辛子や山椒などの香辛料をたっぷり使っており、このシビれるほどの辛さと旨みは、一度味わうと病みつきになるほど。秋冬に掛けての注目鍋になることは間違いなさそうだ。
ちなみに、火鍋は大人数でいただく料理だが、中国版お一人様鍋「麻辣湯(マーラータン)」の食べられるお店も増えてきている。これは好みの食材を選んで、煮込んでもらうだけのシンプルな料理。中国では庶民の味として、いたるところで味わうことができる。これも店独自のスープが美味しさを二分するので、麻辣湯を店で取り入れる際は、しっかりとスープを研究してからメニュー開発をしたいところ。

Photo by Umbria Lovers「Wine tasting」
低価格ワインが主流に!
秋といえば、ボジョレーヌーボの発売などでワインに注目が集まる季節。2012年から続く第7次ワインブームのまっただ中にある2016年秋は、低価格で高品質なカジュアルワインに人気が集まりそうだ。
最近のグルメシーンには“料理ごとにワインを楽しみたい”、“ボトルは1本飲み切れない”といった理由でグラスワインを楽しむ人が急増。これを受け、数種類のグラスワインを常時用意している飲食店が増え、幅広い世代に支持されているようだ。
また、ワインもヘルシー志向が広がりつつあり、ビオワインを取り揃えている店が増えている。ビオワインとは、有機ぶどうを使用し、有機認証を受けた施設で加工されたワインのこと。比較的割高なものが多いが、低価格帯のものも流通し始めているので、導入を検討してみる価値はありそうだ。
さて、今回は今年秋の食のトレンドについて考えてみた。2016年全般に言えるのはヘルシー志向がより高まりつつあること。その流れを汲みつつ、この秋にはより体に優しい食材を使ったメニューや本場の味、高品質だけどリーズナルブルといったメニューを提供していくと良いだろう。
