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飲食店と取り組む「まちづくり」。地域住民と生産者をつなぐ夏季限定ビアガーデンが大盛況!

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博多南駅前ビルの屋上。新幹線の基地も見えるので子どもたちも大喜び!

人口減少時代に突入し、将来は消滅する自治体が出てくるともいわれる昨今。2015年の国勢調査で政令指定都市の中で人口増加数・増加率ともに1位になった福岡市、その隣にあり福岡市のベッドタウンとして注目を集めているのが、筑紫郡那珂川(なかがわ)町だ。福岡市同様、那珂川町も人口が増加しており、2015年の国勢調査では5万人を突破。2018年度には市制施行が予定されている。

那珂川町の玄関口となっているのが、博多駅から新幹線(正確には博多駅から車両基地までの回送線を旅客線化した在来線)で最速8分のところにある博多南駅。今回、その駅前ビルで夏季限定営業を行っている『博多南ナチュラルビアガーデン』を取材した。

「生産者と消費者をつなぐ場をつくりたい」

『博多南ナチュラルビアガーデン』は、2016年夏にスタートしたプロジェクト。同ビルにオフィスを構え、那珂川町のまちづくりに取り組む「こととば那珂川」が、4階屋上スペースの利活用として、飲食経験のある坂口祐也さんと立ち上げた企画だ。

「『こととば那珂川』ではさまざまなプロジェクトを手がけていますが、私たちがやりたいことをやるよりも、『やりたい』という人がいることが前提です。ビアガーデンの場合は、“生産者と消費者をつなぐ場をつくりたい”と考えていた坂口祐也さんの存在が大きかったですね」と話すのは、「こととば那珂川」のまちづくりディレクター、坂口麻衣子さん。

一方、行政と民間をつなぐ役割を担っているのが、那珂川町の事業間連携専門官の木藤亮太さん。まちづくりの分野では、日南・油津商店街の再生プロジェクトで知られる人物だが、じつは木藤さん、那珂川町のご出身で、現在は家族で那珂川町に住んでいる。

「日南でやってきたことも含めて、“場”があるだけではプロジェクトは動きません。必要なのは“人”。ビアガーデンをしようと思っても、それをやっていく“人”がいることが大切なんです」(木藤さん)

開催期間中は多くの地元住民が集う

サードプレイスとなる場所に

那珂川町は、福岡市のベッドタウンとして新しい住民が増えている一方で、駅から少し離れると農村部が広がっている。直売所などはあるものの、地元で採れた農産物をコンセプトにした飲食店はほとんどなかったそうだ。

今年は町内の農家など10軒が参加。メニューには地区及び生産者が明示され、町民にとっては、自分の家の近くでどんなものが作られているのかがわかるようになっている。メニューは1品300円から600円。取材に訪れたのは月曜日だったが、オープン直後から大賑わい。地元住民はもちろん、生産者も家族や友人を連れてくる。

「私は那珂川町の住民ですが、圧倒的に人と人とがつながる場所が少なかったんですよね。たぶん、今、ここに来られている方も、サードプレイスとなる場所が欲しかったんだと思います。一人でふらりとここに来ても、知った顔が誰かいて、そこから初めての人とも繋がっていけることが、私自身、とても楽しいんですよね」(木藤さん)

生産者を訪れる坂口祐也さん(写真右)

仕入れはいくつかの仕入先を除いて代表の坂口祐也さんが一軒一軒回っている。

「訪ねていくと、忙しくてもすごく嬉しそうに迎えてくれるんですよね。話しをしながら一緒にメニューを考えたりしています。自分が店をやっているというよりも、生産者さんと一緒に店をつくっている感覚ですね」(坂口祐也さん)。

生産者の皆さんが一同に会したイベントも開催された

「知ってもらう」「食べてもらう」ことが生産者のモチベーションに

また、このプロジェクトをスタートさせてわかったのが、名前や顔は知っているものの、生産者同士の繋がりはあまりなかったこと。このビアガーデンをきっかけに、生産者同士の新しいコラボレーションも生まれているという。

新しい住民にとっては、町を知るきっかけの場であり、生産者にとっては、自分たちが作っているものを住民に知ってもらう、食べてもらう機会となっており、それがモチベーションにつながっている。

「昨年より今年、今年より来年と、ここに関わる人たちを増やしていきたいと思っています。ビアガーデンは夏季限定ですが、これからも生産者と住民が結びつく機会を増やしていきたいですね」(坂口祐也さん)

生産者の「顔が見える」「仕事が分かる」「人に会える」をコンセプトに「生産者と消費者」「人と人」との繋がりをつくる“場”を提供する「博多南ナチュラルビアガーデン」。今後のさらなる進化に注目したい。

『福岡南ナチュラルビアガーデン』
住所/福岡県筑紫郡那珂川町中原2-120 博多南駅前ビル4F屋上ガーデン
期間/開催中〜7月31日(月)※駅前ビル改修工事前まで(延長の可能性あり)
営業時間/17:00〜22:30(ドリンクL.O.22:00)
定休日/不定休
問い合わせ/090-1366-7155
https://www.facebook.com/hakataminami.naturalbeergarden/

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寺脇あゆ子(cadette)

About 寺脇あゆ子(cadette)

福岡・大阪の出版社勤務を経て、福岡を拠点に活動するフリーの編集者・ライター。グルメ情報誌『ソワニエ』やシティ情報ふくおか別冊『福岡肉本』などの地元情報誌のほか、ぐるなびが運営する『dressing』、スイーツ専門の『CAKE.TOKYO』、ウェブマガジン『greenz.jp』などのウェブメディアでも九州・福岡を中心とした情報を発信している。