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『吉野家』が飲食店では初となる「エコマーク」を取得。認定店になるメリットと取得方法

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公益財団法人・日本環境協会は2017年9月に、飲食店がエコマークを取得するための認定基準を制定した。認定を受けるためにはいくつか基準があり、省エネ・節水などの基本的な環境対策に加え、食材に対する環境配慮、食品ロス削減に向けた取り組みなどが一定の条件を満たさなくてはならない。チェーン店はもちろん、個人店でも申し込むことが可能だ。

日本環境協会では、飲食店がエコマークを取得するメリットとして、次の5つを挙げている。

1、環境に対する意識が高い店舗であることをお客様にアピールできる
2、メニューなどにエコマークを表示することで、お客様に環境活動の取り組みを伝えることができる
3、エコマークが第三者機関からの公平な評価であることから、飲食店を営む企業や店舗のイメージを向上させることができる
4、地球温暖化防止に貢献できる
5、エコマーク取得に取り組んだ結果、省エネや食品ロス削減を実現できる

エコマーク認定基準が制定したことをうけ、早速『吉野家』が申請。10月20日、外食企業で初めての認定を受けた。牛丼を主力商品とし、国内に3,000店舗以上を展開する『吉野家』は、地球環境や資源を保護することを経営理念として掲げている。今後、吉野屋ホールディングス傘下の『はなまるうどん』や『京樽』などもエコマーク取得に続く可能性もあるだろう。

また『吉野家』と同時に、『モスバーガー』(国内1,352店)、『プロント』(国内307店)、『名鉄レストラン』(11店)、『レストラン デニーズ』(国内384店舗)も取得。いずれも企業の社会的責任として、あるいは企業の個性としてエコ活動に取り組んでいる。

Photo by iStock.com/kasto80

エコマークを申請する方法は?

エコマークを使用・表示するには、「エコマーク審査委員会」の審査を経て、認定を受ける必要がある。申し込みから使用契約の手続きまでの流れは次の通り。

1、エコマーク事務局への連絡
2、審査の申し込み(審査料/40,000円 ※消費税別)
  申込書とともに、基準に適合していることを示す説明書類を提出。基準は6項目ある(後述)
3、エコマーク事務局による現地確認
4、審査委員会による認定審査
5、上記の審査を経て認定されると、エコマークの表示を始めることができる

続いて6つの評価基準について紹介する(※は必須項目)。

■食材を選び無駄なく運ぶ
輸送距離の削減を意識し、地元の食材を使っている
通い箱などを利用し、梱包の削減に取り組んでいる

■フードロスを減らす
食品廃棄物の発生量を把握している(※)
小盛メニューや料理の量を調節できることを示している

■省エネ・節水
エネルギー使用量を把握している(※)
LEDなどの省エネ機器を導入している

■エコな備品・設備を使う
食器や箸は繰り返し使用できるものを使っている
グリーストラップを定期的に掃除、洗浄している

■エコな店舗運営
環境に関する法規などを守っている(※)
スタッフに環境教育を行っている

■客とのエコ活動
認定後にエコマークを店内に表示している(※)
マイ箸、マイボトルなどの持参を推奨している

以上のように、基本的な環境対策はもちろんのこと、食材の環境配慮、食品ロス削減に向けた客への啓発活動なども重視されている。詳しくはエコマークの飲食店専用サイトを参照。

飲食店のエコマーク取得は、店のブランディングにもつながるし、食品ロス等の環境問題に取り組むきっかけにもなる。これを機会に検討してみてはいかがだろうか。

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TAKAKO

ライター: TAKAKO

外資系のPR代理店やホテルの広報を経て、ライターとしての活動を開始。食に関しては、日本酒利酒師や野菜ソムリエなど興味の赴くままに手を広げつつ、寿司からフレンチまでちょっとマニアックな料理教室に通うのがライフワーク。