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「屋台」は消費税10%か8%か? 国税庁が軽減税率に関するQ&A集を拡充

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Photo by iStock.com/YakobchukOlena

「ケータリング」や「移動販売車」はどうなる!?

飲食店で軽減税率が適用されるケースとして真っ先に思い浮かぶのが「テイクアウト」や「デリバリー」。これに加え、「ケータリング」などの事例も掲載されていたので詳しく見ていこう。

■ファストフードのテイクアウト
Q.ファストフード店において、「テイクアウト」かどうかはどのように判断するのですか。

A.いわゆる「テイクアウト」など、「飲食料品を持ち帰りのための容器に入れ、または包装を施して行う譲渡」(以下「持ち帰り」)は、「食事の提供」に含まないものとされています。事業者が行う飲食料品の提供が、「食事の提供」に該当するのか、または「持ち帰り」に該当するのかは、その飲食料品の提供を行った時において、例えば、その飲食料品について、その場で飲食するのかまたは持ち帰るのかを相手方に意思確認するなどの方法により判定していただくことになります。

■そばやピザのデリバリー
Q.そばの出前、宅配ピザの配達は、軽減税率の適用対象となりますか。

A.そばの出前、宅配ピザの配達は、顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けるだけであるため、「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。顧客の指定した場所まで単に飲食料品を届けることは、「食事の提供」には該当せず、また、いわゆる「ケータリング、出張料理」にも該当しません。

■ネット通販で食料品を販売
Q.通信販売による飲食料品の販売は、軽減税率の適用対象となりますか。

A.インターネット等を利用した通信販売であっても、販売する商品が「飲食料品」に該当する場合には「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。

Photo by iStock.com/Maica

■移動販売車で弁当を販売
Q.当社は、移動販売車で「食品」を販売しています。公園のベンチのそばで販売し、顧客がその公園のベンチを利用して飲食している場合、この食品の販売は、軽減税率の適用対象とならない「食事の提供」となりますか。

A.ご質問の公園のベンチが、貴社の顧客に利用させることとしているものではなく、誰でもベンチを利用できる場合には、飲食設備に該当せず、貴社の飲食料品の提供は「食事の提供」ではなく「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。

■ケータリングや出張料理
Q.顧客の自宅で調理を行って飲食料品を提供する「出張料理」は、軽減税率の適用対象となりますか。

A.軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」には、「相手方が指定した場所において行う加熱、調理または給仕等の役務を伴う飲食料品の提供」(いわゆる「ケータリング、出張料理」)は、含まれないこととされています。いわゆる「ケータリング、出張料理」は、相手方が指定した場所で、飲食料品の提供を行う事業者が食材等を持参して調理して提供するものや、調理済みの食材を当該指定された場所で加熱して温かい状態で提供すること等をいい、具体的には以下のような場合が該当します。

1、相手方が指定した場所で飲食料品の盛り付けを行う場合
2、相手方が指定した場所で飲食料品が入っている器を配膳する場合
3、相手方が指定した場所で飲食料品の提供とともに取り分け用の食器等を飲食に適する状態に配置等を行う場合

したがって、ご質問のいわゆる「出張料理」は、顧客の自宅で調理を行って飲食料品を提供していることから、「相手方の指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供」に該当し、軽減税率の適用対象となりません。

Photo by iStock.com/FilippoBacci

ラーメン店で「黒烏龍茶」をペットボトルで販売。軽減税率は適用?

最後は「食べ残しの持ち帰り」や「ペットボトル飲料の販売」といった判断に迷うレアケースを紹介。

■飲食店で料理の残りを持ち帰る場合
Q.当店では、顧客が注文した料理の残りを折り詰めにして持ち帰らせるサービスを行っています。この場合の持ち帰り分については、軽減税率の適用対象となりますか。

A.軽減税率の適用対象とならない「食事の提供」とは、飲食設備のある場所において飲食料品を飲食させる役務の提供をいい、「食事の提供」に該当するのか、または「持ち帰り」となるのかは、その飲食料品の提供等を行った時点において判定することとされています。したがって、ご質問のような、その場で飲食するために提供されたものは、その時点で「食事の提供」に該当し、その後持ち帰ることとしても、「飲食料品の譲渡」に該当せず、軽減税率の適用対象となりません。

■飲食店のレジ前の菓子等の販売
Q.飲食店のレジ前にある菓子の販売は、軽減税率の適用対象となりますか。

A.ご質問のように飲食店のレジ前にある菓子の販売は、単に飲食料品を販売しているものと考えられることから、飲食料品を飲食させる役務の提供に該当せず、「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。

■飲食店で提供する缶飲料、ペットボトル飲料
Q.当社はラーメン屋を営んでおります。ラーメン提供のほか、缶飲料、ペットボトル飲料をコップに入れず、缶またはペットボトルのまま提供していますが、これら飲料の提供は軽減税率の適用対象となりますか。

A.ご質問の缶飲料、ペットボトル飲料をそのまま提供したとしても、店内で飲食させるものとして提供しているものであることから、「食事の提供」に該当し、軽減税率の適用対象となりません。

いかがだろうか。ここで紹介しただけでも色んなケースがあり、なかには想像とは違う結果だった事例もあるのではないだろうか。今一度、自店舗のケースを確認しながら軽減税率制度の導入に備えてほしい。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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