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『吉野家』が増税後に牛丼を10%引き。外食各社で「客離れ」を防ぐ動き

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写真は『吉野家』恵比寿駅前店

『吉野家』が、10月1日から牛丼・牛皿の本体価格を10%割り引くキャンペーンを一部店舗を除く、全国の店舗で実施すると発表。消費増税後の来店頻度の利用減を防ぐ狙いだ。

吉野家が売上減防止で牛丼10%オフに

牛丼チェーンの『吉野家』が、消費増税後の10月1日から15日までの期間限定で、「牛丼・牛皿全品10%オフキャンペーン」を実施する。「牛丼」「牛皿」「サラシア牛丼」「お子様ミニ牛丼セット」「〆の牛丼」「牛皿ファミリーパック」の全サイズが対象で、テイクアウトでも同様の割り引きが適用される。


『吉野家』は10月以降も本体価格を据え置き、消費税対応については店内飲食10%、テイクアウト8%と、支払い価格を別にする。今回のキャンペーンは創業120周年を記念した企画だというが、キャッシュレス決済のポイント還元制度への参加を見送った経緯があることから、増税後の来店頻度の落ち込みを防ぐ狙いもあるのだろう。

画像素材:PIXTA

消費増税後、外食各社の対応は?

消費増税をめぐっては、税率が変わる店内飲食とテイクアウトの支払い価格を別にするか税込で統一価格にするかで、外食各社の対応が分かれている。そんな中、商品価格の据え置きや値下げを行う企業も出ており、消費者から注目を集めている。

■サイゼリヤ
イタリアンファミリーレストランチェーン『サイゼリヤ』は、すべてのメニューを現行の税込価格に据え置きする。例えば、代表メニューである「ミラノ風ドリア」の場合、店内飲食は税抜272円+消費税10%、テイクアウトは税抜277円+消費税8%で、どちらも税込価格は299円となる。

■リンガーハット
長崎ちゃんぽん専門店『リンガーハット』は、増税前に一部のメニューを値下げ。370円のランチセットを新設したほか、一番人気のメニュー「長崎ちゃんぽん+薄皮ぎょうざ5個」を700円から10円値下げして690円で提供している。

■幸楽苑
ラーメンチェーンの『幸楽苑』では、4月からすでに価格の見直しを行っていた。看板メニューの「中華そば」は421円から440円に19円値上げすることになったものの、「みそラーメン」と「塩ラーメン」は453円から13円値下げの440円で提供。500円のワンコインで食べられる餃子定食のシングル定食(餃子1人前)の販売もスタートしている。

10月1日の消費税増税後、店内飲食が主の飲食店では売上や客足の減少が懸念されている。消費者をつなぎとめるために、大手・個人店問わず、今回の『吉野家』のようなキャンペーンを行う飲食店が増えそうだ。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。