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新型コロナの影響により飲食店の8割が売上減。「テイクアウト」の販促術を徹底リサーチ

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

新型コロナウイルスの影響は日に日に拡大し、4月7日にはついに緊急事態宣言が発令。外出を自粛する動きがさらに強まり、飲食店はますます厳しい状況に追い込まれつつある。この状況を救う一手としてテイクアウト・デリバリーが注目されているが、果たしてどれくらいの飲食店が対応しているのだろうか。「飲食店.COM」会員を対象に行った、テイクアウト・デリバリーの対応状況に関するアンケート調査の結果を元に、飲食店の現在の営業状況を探る。

■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:514名
調査期間: 2020年4月3日~2020年4月6日
調査方法:インターネット調査
※詳しい調査結果はこちら

飲食店の8割が「前年より売上が減った」と回答。売上への打撃強く

まず、新型コロナウイルスによる売上への影響を調査するため、今年3月と昨年3月の売上比較を聞いた。その結果、「前年同月より売上が10%減った(8.2%)」、「20%減った(16.5%)」、「30%減った(20.8%)」「40%減った(13%)」「50%減った(11.7%)」「60%減った(11.3%)」という回答が得られ、約8割の飲食店に売上の減少がみられることがわかった。そのうち、売上が半分以上減っているという店舗は2割以上にも上り、この打撃はかなり大きいとみられる。

約8割の飲食店が売上減少

また、現在の営業状態について聞いたところ、「普段通り営業している」店舗が49%、続いて「営業時間を短縮した(30.9%)」、「休業日を増やした(18.1%)」、「営業自粛を検討している(17.7%)」、「営業自粛中(10.5%)」、「閉業を検討している(5.3%)」という回答が得られ、多くの店舗が営業について調整を行っていることがわかった。さらにこの大きな被害を受けてなのか、「閉業した」と答えた店舗が1.2%。状況はかなり深刻である。※本データは緊急事態宣言が発令される以前(4月3日~4月6日の期間)に集計したものです。

緊急事態宣言が発令された今後は営業自粛する店舗がさらに増えそうだ

経営を維持するカギは補助金・助成金、そしてテイクアウト

売上が減少する中で店舗を継続していくにはどうしたらいいか、現在検討していることを複数回答で聞いたところ、最も多かったのが「融資・補助金・助成金を活用する」で54.7%。半数以上の飲食店が、補助金や助成金、融資の活用を検討しているようだ。

次いで多かったのが「テイクアウト販売を始める・または強化する」で52.7%。店内で食事をする客が見込めない状況下では、比較的接触の少ないテイクアウトやデリバリーなどのサービスを展開する店舗が増えており、特にテイクアウトの導入に力を入れる店が増加していることがわかった。

テイクアウト販売を始める・または強化する店舗は52.7%

テイクアウト販売を実施中・検討中の店舗は8割

では実際にテイクアウトはどれくらい行われているのだろう? 次の質問ではテイクアウト販売を行っているかどうかを聞いた。回答は「テイクアウト販売を行っている(51.4%)」が最も多く、次いで「テイクアウト販売を行っていないが準備を進めている(12.5%)」「テイクアウト販売を行っていないが検討中(19.6%)」。約8割の店舗がテイクアウトを実施中、あるいは前向きに検討していることがわかった。

約8割の店舗がテイクアウトを実施中、あるいは前向きに検討している

しかし、ただでさえ来客が少なくなっている今、飲食店はどのような施策でテイクアウトを周知しているのか。テイクアウト客を集客するために行った施策のうち、効果が得られたこと、工夫したことを自由回答で聞いてみると、さまざまな回答が寄せられた。

■SNSを積極活用する
「SNSでの告知に反響があり、商品の取り置きなどのご連絡をいただけています。あとは通常通り店内利用したお客様にはビラをお配りしています」(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
「オーナーシェフ、スタッフのSNSアカウントでのリアルタイムな情報発信」(東京都/フランス料理/1店舗)
「普段は持ち帰りできないケーキを、この機会のみテイクアウト販売するとSNSで告知。その結果、通常時よりも3倍の注文あり」(神奈川県/カフェ/1店舗)
「テイクアウト商品はイートインと同じ値段だとお客様は高く感じてしまい、購買意欲が低下するため、お値打ち感のある商品を開発し提供している。数量限定商品をSNSで発信し取り置きできるようにしたことで完売することも。真空冷凍できる商品を作りロスが出ないようにしています」(千葉県/フランス料理/1店舗)

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。