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【2023.6最新】パーティションは廃棄OK? 飲食店のコロナ感染対策ガイドライン廃止、今後は?

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■テイクアウトサービス
※2022年12月13日の最終変更・追加点
〇動線確保の緩和など

・テイクアウトを実施している店舗では、お客様の店内滞留時間を短くするために、事前予約注文を受け付けるなどの仕組みを導入する

■デリバリーサービス
※2022年12月13日の最終変更・追加点
〇動線確保の緩和など

・デリバリー担当の配達員と来店客が接触しないように工夫する
・料理の受渡しの際は手指を消毒してから行う
・代金が支払い済み(オンライン決済等)で、注文者が希望する場合は、注文者が指定した所に料理を置くなど非接触の受渡しを行う
・配達員は、店舗従業員と同様の健康管理、手洗い等の衛生管理を実践し、マスクを着用する
・配達する料理の容器は、配達員が直に触れないよう袋等に入れ、配達に使用する運搬ボックス等は使用の都度、消毒する

「会計処理」「テイクアウトサービス」「デリバリーサービス」に関しても、ガイドラインから制限が大幅に削除された。詳しく見てみよう。

「会計処理」に関しては、食券販売機の消毒、コイントレイの使用、アクリル板等の仕切りといった内容が削減された。元々3項目あったが、変更後は1項目となっている。「テイクアウト」についても3項目から1項目となった。テイクアウト客と店内飲食客の動線を区別する必要がなくなったため、店内での動線がある程度自由になるだろう。

一方、「デリバリーサービス」に関して大きく変更された点はない。ただし、デリバリーの配達員と来客店の動線について、「両者の動線が重ならないように」という内容が削除。店内での行動制限が緩むことになる。

画像素材:PIXTA

従業員の安全衛生管理

※2022年12月13日の最終変更・追加点
〇従業員が濃厚接触者になった際の対応
〇フェイスガードを着用する際のマスク着用など

・従業員の健康管理において最も重要なことは、各自が店舗に新型コロナウイルスを持ち込まないことであることを周知徹底する
・食品を扱う者の健康管理と衛生管理を徹底する。特に衛生管理については、定期的に、かつ、就業開始時や他者の接触が多い場所などに触れた後、清掃後、トイレ使用後に、手指消毒や手洗いを実施する。
・従業員は必ず出勤前に体温を計るほか、毎日の健康状態を把握する。発熱や風邪の症状等体調が悪い場合は、店舗責任者にその旨を報告し、勤務の可否等の判断を仰ぐとともに、症状に応じて医療機関の受診や検査を受ける。必要に応じて抗原簡易キットの使用など検査の更なる活用・徹底を検討する
・感染した従業員、もしくは感染疑いのある従業員が出勤しないように徹底する。濃厚接触者の判断や外出などについては政府や各自治体の方針に従うものとする。
・店舗では大声を避け、マスクやフェイスガードを適切に着用する。フェイスガードを着用する場合はエアロゾル対策の観点からマスクの補助として着用する。
・従業員やその家族が過度な心配や恐怖心を抱かないよう、また風評被害や誤解などを受けないよう、従業員とのコミュニケーションを図る
・従業員のロッカールームや控え室は換気し、室内は定期的に清掃する。また、休息中もマスクを着用するなど工夫する
・ワクチン接種については、厚生労働省HPの「新型コロナワクチンについて」等を参照する

この項目で注目したいのが、従業員が濃厚接触者となった場合の対応だ。これまでは「就業は禁止」とされていたが、「感染疑いがある場合は出勤しないよう徹底」「濃厚接触者は政府や各自治体の方針に従う」に変更された。また、フェイスガードをする場合も、マスクの着用が義務付けられたのは大きな追加点と言えるだろう。店舗責任者には早急の対応が求められる。

【注目記事】飲食店で感染者が発生した際の対応。店や従業員を守るには?

店舗の衛生管理

※2022年12月13日の最終変更・追加点
〇アルコール消毒の頻度について
〇ハンドドライヤーの使用など

・店内(客席)は適切な換気設備の設置及び換気設備の点検を行い、徹底した換気を行う(窓・ドア等の定期的な開放、常時換気扇の使用など)
・換気設備が不十分な店舗や個室を使用する場合は、十分な換気を行う。パーティションを設置する場合は、居所的に空気によどみが発生しないよう、「外食業の事業継続のためのガイドラインQ&A」のQ8パーティションの項を参照に工夫する。
・店内清掃を徹底し、店舗のドアノブ、券売機、セルフドリンクコーナー等の設備等、多数の人が触れる箇所は適時、アルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。また、テーブル、イス、パーティション、メニューブック、タッチパネル、卓上ベル等についても適時、アルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する
・卓上には原則として調味料・冷水ポット等を置く場合は、適時、アルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭や用具の交換を行う
・ビュッフェやサラダバーは、利用者が一回の料理を取り分けたごとに新たな小皿を使用するとともに、取り分け時はマスクを着用し、手指の消毒を徹底する。
・従業員は、店内の一箇所にお客様が集まらないように留意する
・トイレは毎日清掃し、ドアやレバー等の不特定多数が触れる箇所は定期的にアルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウムで清拭する
・ハンドドライヤーを使用する場合は、清掃を適時行い衛生管理に努める
・感染防止対策に必要な物資(消毒剤、不織布マスク、手袋、ペーパータオル、及びそれらの使い捨て用品を廃棄する容器等)の一覧表(リスト)を作成し、十分な量を準備しておくか、または緊急時にすぐに入手できるよう予め手配をしておく。平時から使用した分をその都度補充し、常に一定の必要量を備蓄しておくことが望ましい(ローリングストック)
・ユニフォームや衣服はこまめに洗濯する
・食品残渣、鼻水、唾液などが付いた可能性のあるごみ等の処理はごみに直接触れないようビニール袋等に密封して縛り、マスクや手袋を着用して回収する。ごみを捨てた後は、必ず手を洗う

店舗の衛生管理に関するこの項目も、制限が大幅に緩和されており従業員の業務が減ることが予想される。詳しく見ていこう。

まず、テーブルや椅子、タッチパネルなどのアルコール消毒は、「お客様の入れ替わるタイミング」などが削除され、「適時」となった。またドリンクバーには保護カバーの設置などが求められていたが、このルールも削減されている。ビュッフェやサラダバーではトング等の消毒、手袋の着用なども義務ではなくなった。

またコロナ禍になって、大きく注目されていたハンドドライヤーの使用停止も解除された。ペーパータオルの使用も必須ではなくなり、店舗の経費削減にもなりそうだ。

ここまで、日本フードサービス協会がかつて示していた「外食業の事業継続のためのガイドライン」の最終更新時の内容を紹介した。現在はこれらの感染対策はそれぞれの店舗での判断に委ねられているが、ウイルスを取り巻く状況は不透明であり、新型コロナウイルスや、未知の感染症が流行するかは誰にもわからない。不測の事態が再び訪れた時、これらのガイドラインが役に立つだろう。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。